愛犬が眠っている姿は本当に愛らしいものですが、

飼い主さん
うちの子は、いつも仰向けで寝ているけど、
あれはリラックスしているサイン?

飼い主さん
寒いわけでもないのに、ずっと体を丸めているのは不安なのかな?
わんちゃんは一日のうち、約12時間〜18時間を寝て過ごします。
この長い睡眠時間の中で取る様々な寝相は、彼らが置かれている環境、体温、そして心の状態を
反映しています。
寝相が突然変わったり、特定の寝相が長く続いたりする場合、それは愛犬からの「いつもと違うよ」というSOSのサインかもしれません。
この記事では、わんちゃんの主要な5つの寝相を心理学や生理学の観点から分析し、それぞれの寝方が示す「安心度」や「今日の気分」を解説します。
さらに、その寝相から早期に気づける「健康チェックリスト」を提示し、愛犬が心身ともに健康でいられるための安眠環境の作り方を徹底解説します。
安心度別!寝相でわかる「今日の気分」
愛犬がどのくらい体の急所(お腹や喉)を晒しているかによって、その安心度やリラックス度を
判断できます。
ライオンポーズ(スフィンクス寝)
- 体勢: 前足を体の下に折り込み、頭を前足の上に置いて伏せている状態。
- 今日の気分: 「休憩中」「すぐに動けます」 警戒心が高く、完全に眠り込んではいません。
短い休憩や、飼い主さんのそばで浅く眠っている状態です。
来客中や、まだ環境に慣れていない子犬によく見られます。 - 安心度: ★☆☆☆☆(低い)
まるまる寝(ボール/ドーナツ寝)
- 体勢: 体をきつく丸め、鼻先を尻尾に近づけている状態。
- 今日の気分: 「寒いです」「身を守りたい」 主に体温を保持するための寝相です。
また、内臓や喉といった急所を守る防御的な姿勢でもあります。
不安や緊張があるとき、あるいは環境が少し寒いと感じていることを示します。 - 安心度: ★★☆☆☆(やや低い)
横向き寝(サイドスリーパー)
- 体勢: 体を伸ばし、横向きになって寝ている状態。
- 今日の気分: 「安心」「リラックス」 比較的体が無防備になっていますが、急所を完全に晒しているわけではありません。
安全だと感じており、深いレム睡眠に入っていることが多いです。
愛犬が家の中で最もリラックスしている状態を示します。 - 安心度: ★★★★★(高い)
スーパーマンポーズ(うつ伏せ伸び)
- 体勢: 前足と後ろ足を前後に伸ばし、床に腹這いになっている状態。
- 今日の気分: 「疲れたけど、待機中」「暑い」 疲れているものの、すぐに立ち上がれる
体勢です。
床の冷たい感触でお腹を冷やし、体温を下げたいときにもよく見られます。
活発な遊びの直後や、暑い日の日中に多い寝相です。 - 安心度: ★★★☆☆(普通)
ヘソ天(仰向けバンザイ寝)
- 体勢: お腹を上にして、四肢をだらりと広げている状態。
- 今日の気分: 「最高に安全」「体温放熱中」 体の最も急所であるお腹を完全に晒す、
最大の信頼と安心のサインです。
同時に、体温が上がりすぎた際に、毛の薄い腹部から熱を効率よく放散するための
生理的な目的もあります。 - 安心度: ★★★★★(最高)
寝相の「変化」で気づく健康チェックリスト!
愛犬が一時的に変わった寝方をするのは問題ありませんが、特定の寝相が続く、あるいは寝方が急に変わった場合は、健康上の問題を示唆している可能性があります。
体を丸め続ける・伸びない
- チェックポイント: 常に「まるまる寝」の状態から体を伸ばさない。
- 懸念される状態:
- 関節の痛み: 関節炎やヘルニアなどで体を伸ばすと痛みを感じるため、無意識に体を丸めて痛みを回避している可能性があります。
- 腹痛: お腹に違和感や痛みがある場合、内臓をかばうように丸くなることがあります。
- 関節の痛み: 関節炎やヘルニアなどで体を伸ばすと痛みを感じるため、無意識に体を丸めて痛みを回避している可能性があります。
寝ているのに呼吸が速い(パンティング)
- チェックポイント: 眠っているのに口を開けてハァハァ(パンティング)している、または呼吸が浅く速すぎる。
- 懸念される状態:
- 熱中症の初期: 単なる寝汗ではなく、室温が高すぎる場合、熱中症や脱水のサインです。
- 心臓疾患: 呼吸器や心臓に疾患があると、安静時や睡眠時でも呼吸数が多くなりやすい傾向があります。
- 熱中症の初期: 単なる寝汗ではなく、室温が高すぎる場合、熱中症や脱水のサインです。
特定の部位をかばう寝方
- チェックポイント: いつも同じ側の手足を上にしたり、特定の場所だけを床につけようと
しない。 - 懸念される状態:
- 怪我・炎症: 捻挫や打撲、あるいは虫刺されなどで、その部位に違和感や痛みがある可能性があります。
寝返りを打つ回数が極端に少ない場合も注意が必要です。
- 怪我・炎症: 捻挫や打撲、あるいは虫刺されなどで、その部位に違和感や痛みがある可能性があります。
寝場所を頻繁に変える
- チェックポイント: 一晩に何度も寝場所を変えたり、落ち着かずソワソワしたりする。
- 懸念される状態:
- 不快感: 寝床が硬すぎる、暑すぎる、体が痒いなど、単純な不快感。
- 認知機能の低下: 高齢犬の場合、夜間に落ち着きをなくし、徘徊する症状
(認知症の初期サイン)の可能性があります。
- 不快感: 寝床が硬すぎる、暑すぎる、体が痒いなど、単純な不快感。
愛犬が安眠できる「環境づくり」のポイント!
愛犬が最もリラックスできる「横向き寝」や「ヘソ天」で眠れるよう、飼い主さんが環境を整えてあげましょう。
「安心の基地」を整える
- ハウスの配置: クレートやベッドは、人の出入りが少なく、静かで暗い場所に設置し、
愛犬が邪魔されずに深く眠れる環境を作ります。 - ニオイの安心感: 飼い主さんのニオイがついた毛布やタオルを寝床に置くことで、
心理的な安心感が得られます。
温度と湿度の管理
- 床の冷たさ: 特に夏の暑い日は、愛犬が体を冷やせる大理石プレートやアルミ板を
寝床の近くに用意し、ヘソ天やスーパーマンポーズで快適に体温調節できるようにします。 - 冬の暖かさ: 冬は寒さからくる「まるまる寝」を防ぐため、ペットヒーターや暖かい毛布を
用意し、愛犬が体を伸ばして眠れるように温めます。
寝具の素材を選ぶ
- 体圧分散: 高齢犬や大型犬は、体が一点に集中して圧迫されると関節を痛めやすいです。
低反発素材などの体圧分散に優れたマットやベッドを選び、体を伸ばして横向きで
眠りやすいようにサポートしてあげましょう。
まとめ:寝相は愛犬からの「大切なメッセージ」

| 寝相のサイン | 心理状態・意図 | 健康チェックの重要性 |
| 横向き寝(サイドスリーパー) | 安心度MAX、 深い眠りに入っている。 | 最も健康的な状態。 この寝方が多いほど環境が 良い。 |
| ヘソ天(仰向け) | 最高の信頼、体温放散。 | 信頼関係の証拠。 ただし、暑すぎないか チェック。 |
| まるまる寝 | 寒さ、または不安・防御。 | 頻繁に続く場合は、 関節の痛みや腹部の不調を 疑う。 |
| ライオンポーズ | 休憩中、いつでも動ける 浅い眠り。 | 完全にリラックス できていない可能性。 寝床を見直す。 |
| 頻繁な寝場所変更 | 不快感、または 認知機能の低下。 | 室温、寝具、夜間の徘徊 (高齢犬)を確認する。 |
愛犬の寝相は、その日の気分から、体の中で起こっている小さな変化までを教えてくれる貴重な情報源です。
これらのチェックリストを活用し、愛犬の安らかな寝顔を観察することで、早期に異変に気づき、長く健康に愛犬との生活を楽しんでいきましょうね。


