わんちゃんを迎え入れる「覚悟」ができた方は、事前の準備が必要になります。

飼い主さん
いよいよ家族が増える!何を用意すればいい?

飼い主さん
家の中のどこまでを、片付けるべき?
新しい家族、愛犬を迎える準備は、ワクワクする時間です。
しかし、その興奮の裏で、愛犬の安全を守り、新しい生活にスムーズに馴染ませるための
「環境整備」は、飼い主の重要な最初の仕事です。
子犬や新しく保護されたわんちゃんは、環境の変化に非常に敏感で、家に来た直後は不安で
いっぱいです。
最初の数日間で、愛犬が「ここは安全で安心できる場所だ」と感じられるかどうかで、
その後のしつけのしやすさや、問題行動の発生率が大きく変わってきます。
この記事では、愛犬を迎える前に「物理的に準備すべきこと」「購入すべき必需品リスト」
「家族全員の心の準備」の3つのステップに分け、具体的なチェックリストを徹底解説します。
このリストを活用し、愛犬にとって最高のスタートラインを用意してあげましょう。
愛犬のための「安全な家」づくり(環境整備)
愛犬が怪我をしたり、危険なものを誤飲したりしないよう、物理的な安全を確保しましょう。
物理的な危険物の排除(わんちゃんの目線になる)
- 電気コード類: わんちゃんはコードを噛むのが大好きです。
感電の危険があるため、コードカバーで覆うか、家具の裏などに隠し、愛犬が触れないようにしましょう。 - 小さなもの・中毒物: タバコ、人の薬、ボタン電池、硬貨、画鋲、クリップなど、
わんちゃんが誤飲できるサイズの小さなものは、すべて手の届かない棚や引き出しに
しまいます。 - 危険な植物: ユリ、アサガオ、ポトスなど、わんちゃんにとって毒性のある植物は、
すべて撤去するか、わんちゃんの行動範囲外に移動させます。 - ゴミ箱: 蓋のないゴミ箱は、格好の遊び道具兼、食事場所になります。
蓋つきで倒れない重さのゴミ箱に変更するか、わんちゃんの入れない場所に設置します。
安全地帯と行動範囲の設定
- 安全な場所(クレート/ケージ)の確保: 愛犬が安心して休める「自分の寝床」となるクレート(またはケージ)を、家族の出入りが少なく、静かで暗めの場所に設置します。
ここが、愛犬の「巣穴」であり、休息場所であることを家族全員で徹底します。 - ベビーゲートの活用: キッチンや玄関など、立ち入りを制限したい場所には、ベビーゲートや柵を設置し、初期の行動範囲を限定します。
これは、誤飲事故防止と、トイレトレーニングを効率的に進めるために重要です。 - 床の滑り止め: フローリングはわんちゃんにとって滑りやすく、関節や股関節を痛める原因になります。
カーペット、マット、または滑り止めワックスで、愛犬の生活動線だけでも滑らないように
対策しましょう。
初期に必要な「必需品リスト」
愛犬が家に来てから慌てて買いに走らなくて済むよう、以下の必需品を揃えておきましょう。
| カテゴリ | 必須アイテム | 備考・選び方のポイント |
| 寝床・居場所 | クレート/ケージ、ベッド/ マット | クレートは愛犬が立った時に頭が天井につかず、 寝た時に体を伸ばせるサイズを選ぶ。 |
| 食事・水 | 食器(フード用・水用)、 総合栄養食 | 食器は倒れにくく、 清潔に保てるステンレス製 などがおすすめ。 フードは迎え入れる前に 食べていたものと同じものを準備する。 |
| 排泄用品 | トイレトレー、 トイレシーツ、消臭スプレー | 愛犬のサイズに合った トレーを用意。 消臭スプレーは、 犬の嗅覚に刺激が少ない 「ペット用」を選ぶ。 |
| リード・首輪 | 首輪/ハーネス、リード、 鑑札/迷子札 | 迷子札は必ず装着し、 首輪は指が2本入るくらいのサイズに調整する。 |
| お手入れ用品 | ブラシ、犬用シャンプー、 爪切り、歯磨き用品 | 爪切りは、不安を取り 除くため、音が静かな 爪やすり(グラインダー)も検討する。 |
| おもちゃ | 噛んでも安全なもの (コングなど)、知育玩具 | 留守番時の退屈しのぎに なり、問題行動 (家具噛みなど)の予防に なる。すぐに壊れて誤飲の 危険がないものを選ぶ。 |
| 緊急用品 | 動物病院の連絡先、止血剤 | 爪切りで出血した際のために、犬用止血剤 (クイックストップなど)を常備する。 |
愛犬を迎える「心の準備」と「家族のルール」
愛犬のしつけや安心感は、飼い主家族の態度や一貫性にかかっています。
家族内での「役割分担」の決定
- 散歩担当: 誰が、いつ、どこへ散歩に連れていくか。
- 給餌担当: 誰が、いつ、どれくらいの量を与えるか。
- しつけ担当: メインでしつけを行う担当者を決め、
「しつけの方針(褒め方、叱り方、使用するコマンド)」を統一します。 - 医療費・保険: 誰が費用を管理し、緊急時の病院へ連れていく責任を持つか。
しつけとコミュニケーションの統一
- 統一したルール: 「ソファに上げるか上げないか」「寝室に入れるか入れないか」など、
家庭内のルールを必ず家族全員で統一します。
ルールがバラバラだと、愛犬は混乱し、問題行動を引き起こしやすくなります。 - コマンドの統一: 「おすわり」「待て」などのコマンドの言葉を統一し、声のトーンやジェスチャーも家族で合わせるように練習しましょう。
最初の数日間の過ごし方
- 静かに過ごす: 迎えた最初の数日間は、過度な刺激を避け、愛犬が新しい環境と家族のニオイに慣れる時間を優先します。
来客は避け、静かに過ごせるよう配慮しましょう。 - 環境慣れを最優先: トイレトレーニングや遊びは重要ですが、まずは「この家は安全だ」と
認識してもらうことが最優先です。
愛犬が落ち着くまで、根気強く見守りましょう。 - 動物病院の選定: 緊急時に備え、かかりつけ医(近所の病院)と、夜間や休日に
対応してくれる夜間救急病院を事前に調べておきましょう。
まとめ:最高のスタートを切るための「3大準備」

| 準備の柱 | 対策の目的 | 完了すべきこと |
| 1. 環境安全 | 誤飲・怪我の事故を ゼロにする。 | 危険物 (コード、薬、小さなもの)の排除、滑り止め対策、 行動制限のための ゲート設置。 |
| 2. 必需品の準備 | 初日から愛犬が快適に 過ごせるようにする。 | クレート、フード、 トイレ用品、迷子札付きの 首輪の購入と設置。 |
| 3. 心とルールの統一 | 愛犬の混乱を防ぎ、 信頼関係を築く土台を作る。 | 家族間での役割分担、 しつけコマンドの統一、 最初の数日間の過ごし方を 決定する。 |
愛犬を迎える前の準備は、愛情の深さを表す最初の行動です。
このチェックリストを参考に万全な準備を整えることで、愛犬は安心して新しい生活を
スタートでき、あなたと愛犬の暮らしは、初日から幸せな物語を紡ぎ始めることが
できるでしょう。


