
飼い主さん
以前より散歩を嫌がるようになった

飼い主さん
立ち上がる時に『よっこいしょ』という声が聞こえそう…
変形性関節症(Osteoarthritis: OA)は、関節の軟骨がすり減り、関節の炎症や痛みを引き起こす慢性疾患です。
特に大型犬や高齢犬、そして遺伝的に股関節や膝に問題を抱える犬種にとって、避けて通れない課題の一つです。OAは進行性の病気ですが、適切な自宅ケアと管理を行うことで、痛みを和らげ、愛犬の生活の質(QOL)を大きく改善することができます。
この記事では、変形性関節症の初期サインと、自宅でできる痛みのケア(サプリメント、環境整備)を解説します。
そして、痛みを悪化させないための散歩のペースやコースの選び方といった実践的なヒントを紹介します。
変形性関節症(OA)の初期サインと進行!
OAが引き起こす痛みと不快感
- メカニズム: 関節のクッション材である軟骨がすり減り、骨同士が直接ぶつかることで炎症が起こり、痛みが発生します。
- 悪循環: 痛みがあるため動かなくなる→筋肉が衰える→関節への負担が増える→さらに痛みが増す、という悪循環に陥りやすいのが特徴です。
見逃しがちな初期サイン
以下のサインは、「単なる老化」ではなく「痛み」のサインである可能性が高いです。
| 痛みのサイン | 飼い主様からの報告例 |
| 起き上がりの遅さ | 「朝、ベッドから降りるのに時間がかかる」「一瞬ためらうようになった」。 |
| 歩き方の変化 | 「散歩中に足を引きずる」「スキップするような変な歩き方をする」。 |
| 行動の変化 | 「階段の上り下りを避ける」「以前好きだったジャンプやボール遊びをしなくなった」。 |
| 触られるのを嫌がる | 特に腰やお尻の周りを触ると、急に怒ったり、逃げたりする。 |
自宅でできる、痛みを和らげるケア!
OAのケアは、「痛みの緩和」「関節の保護」「筋肉の維持」の3つが柱になります。
関節保護のための環境整備
- 滑り止め対策: 関節を痛める最大の原因は、フローリングで滑ることです。マットやカーペットを敷き詰め、滑りにくい環境を作りましょう。
- 段差の解消: ソファやベッドへの飛び降りを禁止し、スロープやステップを設置して、関節への衝撃を減らします。
- 寝床の工夫: 硬い床は関節を圧迫します。低反発や高反発の、厚みのあるベッドを用意し、体を温めながら休めるようにします。
効果的なサプリメントの選び方
サプリメントは病気を治すものではありませんが、軟骨の保護や炎症の緩和を助けます。
| 成分名 | 主な効果 |
| グルコサミン | 軟骨の主成分。軟骨の生成をサポートする。 |
| コンドロイチン | 軟骨の水分を保持し、弾力性を維持する。 |
| オメガ-3脂肪酸 (EPA/DHA) | 強力な抗炎症作用があり、痛みを伴う炎症を和らげる効果が期待される。 |
ヒント: 獣医師と相談の上、EPA/DHA(魚油)は抗炎症作用が高いため、積極的に取り入れることを検討しましょうね。
痛みが出にくい散歩法と、体重管理!
散歩の「量より質」を重視
- 無理をさせないペース: 痛みが強い日は無理せず、短時間の散歩を複数回に分ける方が、体を固まらせずに済みます。
- 平坦なコース: 急な坂道や階段は関節に大きな負担をかけるため、できるだけ平坦なコースを選びます。
- 水中運動(水泳): 関節に負担をかけず、全身の筋肉を維持できる最高の運動です。
体重管理が最大の治療
- 体重1kgの重み: 体重が1kg増えるだけで、関節にはその数倍の負担がかかります。
- 最優先事項: 獣医師と相談し、ダイエットフードや療法食を使い、適正体重に戻すことが、投薬と同じくらい重要な治療になります。
まとめ:無理なく続ける関節ケアで快適な毎日を

| OAケアの「3つの柱」 | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 痛みの管理 | 炎症を抑え、愛犬のQOLを維持する。 | 獣医師の指示に従い、鎮痛剤や抗炎症作用のあるサプリを適切に与える。 |
| 2. 体重の適正化 | 関節への物理的な負担を減らす。 | 体重を定期的に測定し、ダイエットフードなどで適正体重を維持する。 |
| 3. 環境の整備 | 滑りや衝撃から関節を守り、痛みを防ぐ。 | 床に滑り止めマットを敷き、段差にはスロープを設置する。 |
変形性関節症は、自宅での温かいケアと、獣医師との連携で愛犬の生活を支えることができます。
痛みに気づいたら、すぐに適切な行動をとりましょうね。


