
飼い主さん
不妊手術はかわいそう?

飼い主さん
性格が変わってしまうのでは?
わんちゃんの避妊・去勢手術(不妊手術)は、飼い主様にとって大きな決断の一つです。
手術は愛犬の健康と行動に永続的な影響を与えるため、感情論ではなく、医学的なメリットとデメリットを理解し、総合的に判断することが重要です。特に、近年は早期の不妊手術が推奨されてきましたが、犬種や成長段階によって最適な時期が異なるという研究結果も出ています。
この記事では、まず避妊・去勢手術の明確なメリットと、知っておくべきデメリットを徹底比較します。次に、愛犬の「最適な手術時期」を決めるためのガイドラインと、手術後の「性格や体重の変化」への対策を解説します。
健康と行動の「メリット」5選!
不妊手術は、性ホルモンが関与する深刻な疾患や、本能からくる問題行動を予防する点で大きなメリットがあります。
| 手術の種類 | メリットと予防できる疾患 |
| 避妊手術(メス) | 子宮蓄膿症の予防(ほぼ100%): 命に関わる重大な病気で、未避妊犬の約20%〜25%が発生すると言われています。乳腺腫瘍の発生率低下: 最初の発情前に手術をすることで、乳腺腫瘍の発生リスクが大幅に低下します。望まない妊娠の防止。 |
| 去勢手術(オス) | 前立腺肥大の予防: 中高齢のオスに多く見られ、排泄障害を引き起こします。精巣腫瘍の予防(ほぼ100%)。問題行動の抑制: マーキング、発情期の徘徊、攻撃性(他のオス犬に対するもの)の軽減。 |
| 共通 | ストレスの軽減: 発情期特有のストレスや、交配できないことによるフラストレーションから解放される。 |
無視できない「デメリットとリスク」3選!
手術には、避けられないリスクと、術後に起こりうる変化があります。
麻酔・外科的なリスク
- デメリット: 手術には必ず麻酔リスク(特に高齢や持病があるわんちゃん)と、術後の出血・感染症などの外科的なリスクが伴います。
肥満になりやすくなる
- デメリット: ホルモンバランスの変化により、基礎代謝が低下し、食欲が増進します。その結果、術前と同じ食事量でも太りやすくなります。
- 対策: 術後は、カロリー控えめのフードに切り替え、食事量を獣医師と相談しながら調整することが必須です。
特定の病気のリスク上昇(近年注目)
- デメリット: 一部の大型犬において、若齢で去勢手術を行うと、股関節・肘関節の疾患や、特定の癌(血管肉腫など)のリスクがわずかに上昇するという研究報告があります。
愛犬の「最適な手術時期」を見極める!
犬種や成長スピードによって最適な時期が異なります。獣医師とよく相談しましょう。
伝統的な推奨時期(性成熟前)
- 一般的: 生後6ヶ月〜1歳になる前(性成熟前)。
- 理由: 特にメスの乳腺腫瘍は、最初または2回目の発情前に手術を行うことで、予防効果が最大になるとされています。
大型犬・超大型犬の注意点
- 近年の研究: ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバーなどの大型犬では、性成熟前(生後1歳未満)に手術を行うと、関節疾患のリスクが高まる可能性が指摘されています。
- 推奨時期: これらの犬種では、骨格の成長がほぼ完了する生後12ヶ月〜18ヶ月以降に延期することを検討する獣医師が増えています。
性格・行動の変化
- 変化: 不妊手術で攻撃性が完全に消えるわけではありませんが、ホルモン由来の問題行動(オス特有のマーキング、徘徊、発情期特有のイライラなど)は軽減される傾向があります。
- 誤解: ビビりな性格や分離不安は、ホルモンとは関係のない学習された行動や不安が原因のため、手術では治りません。
まとめ:愛犬にとって最善の選択をするために

| 決断ポイント | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 健康リスクを最優先 | 命に関わる子宮蓄膿症や乳腺腫瘍などの予防効果を重視する。 | メスは最初の発情前に、オスは前立腺肥大や問題行動の予防効果を天秤にかける。 |
| 2. 犬種・サイズで時期判断 | 関節疾患のリスクを考慮し、最適な手術時期を見極める。 | 大型犬の場合は、骨格の成長が完了する生後1年〜1年半まで手術を延期することを検討する。 |
| 3. 術後の体重管理を徹底 | ホルモン変化による肥満とそれに伴う病気を防ぐ。 | 手術直後から食事量の見直しと低カロリーフードへの切り替えを徹底する。 |
不妊手術の決断は、愛犬の健康な未来への投資です。メリット・デメリットを冷静に比較し、必ずかかりつけの獣医師と相談して愛犬にとってベストな時期を判断してくださいね。


