
飼い主さん
うちの子は賢いけど、
すぐに飽きてしまう

飼い主さん
足元を追いかけて、
時々カプッと噛みついてくる
牧羊犬・牧畜犬(ハーディング・グループ)は、何世紀にもわたり、人間と協力して羊や牛などの家畜を誘導・警護するために改良されてきました。
このグループの犬種に求められたのは、飼い主の指示を遠距離で理解する能力、家畜の動きを予測する判断力、そして群れをまとめる高い集中力です。
その結果、ボーダー・コリー、ジャーマン・シェパード、ウェルシュ・コーギー、シェルティといった犬種は、「犬界の天才」と称されるほどの優れた知能と訓練性能を獲得しました。
この記事では、牧羊犬グループの知能が高いゆえの悩みと、彼らが持つ「家畜を追う本能」が室内でどのように現れるかを解説します。
そして、愛犬の高い精神的な要求を適切に満たし、問題行動を防ぐための具体的なトレーニング法を紹介します。
牧羊犬(牧畜犬)ってどんな犬?基本の特徴!
牧羊犬の賢さは、彼らの歴史的な役割に直結しています。
ルーツ:遠隔操作のプロフェッショナル
- 役割: 広大な牧草地で、時には飼い主から何百メートルも離れた場所で、自らの判断と、ホイッスルなどの遠隔指示に基づいて家畜を動かす必要がありました。
- 知能の獲得: この仕事は、単なる力仕事ではなく、高度なコミュニケーション能力、記憶力、そして問題解決能力を必要としました。彼らの賢さは、この「複雑な共同作業」の歴史によって磨かれたものです。
「賢すぎる」ことのジレンマ
- メリット: 新しいコマンドやトリックを驚くほど早く習得し、高度な訓練競技でも活躍できます。
- デメリット: 退屈に耐えられないという側面があります。単調な生活や運動不足は、すぐに破壊行動や過剰な吠え、自作の問題行動(例:家族のルーティンを壊す)につながります。「賢いわんちゃんは、常に頭を使う仕事を必要とする」と認識しましょう。
牧羊犬に見られる高い知能と本能!
牧羊犬の本能は、家畜がいなくても、家族や物に対して無意識に現れます。
「追跡」と「ニッパー」の本能
- 傾向: 動くもの(自転車、車、ジョギング中の人)を「家畜」と認識し、追いかける傾向があります。また、特にウェルシュ・コーギーのように足元で家畜を誘導していた犬種は、家族の足元や子供の動きを制止するために、踵(かかと)を軽く噛んだり、つついたりする行動(ニッピング)を見せることがあります。
- 対策: 追跡行動は、幼少期に徹底的に「ストップ」のコマンドでコントロールする必要があります。ニッピングは、遊びではなく「本能的な行動」であることを理解し、おもちゃで噛む欲求を代替させることが重要です。
「群れのまとめ役」になる
- 傾向: 群れ(家族)のメンバーがバラバラに動くことを嫌い、一箇所にまとめようと吠えたり、通り道に座り込んだりすることがあります。
- 対策: 飼い主がリーダーシップを発揮し、家族全員が「わんちゃんをコントロールする側」であることを示す必要があります。わんちゃんの吠えや要求によって行動を変えないよう、一貫した態度で接することが大切です。
本能を満たすには?遊び・運動・しつけの方法!
牧羊犬は、肉体的な疲労よりも精神的な疲労(満足感)を求めます。
フィジカルより「メンタル・ワーク」を重視
- ヒント: 2時間の散歩よりも、30分の集中した頭を使ったトレーニングのほうが、愛犬は満足します。
- トリックの習得: 難易度の高いトリックを毎週一つ教える。
- パズルトイ: 複雑な知育玩具や、隠したフードを探すノーズワークを日課にする。
- ゲーム: 探し物ゲーム(「カギはどこ?」)など、愛犬の判断力を試すゲームを取り入れる。
- トリックの習得: 難易度の高いトリックを毎週一つ教える。
「家畜」を追う本能の代替
- ヒント: 追跡本能を満たすために、ドッグスポーツ(アジリティ、フリスビー)を始めることは非常に有効です。
- 家庭内での代替: ハーディングボール(大きなボール)を愛犬に追わせてコントロールさせる遊びは、彼らの本能を健全な形で満たすことができます。
高い服従心を活かす
- ヒント: 彼らは指示を聞くことが喜びにつながります。ただし、指示は明確で一貫している必要があります。曖昧な指示や感情的な叱責は、かえって彼らを混乱させ、不安にさせてしまいます。
- 褒め方: 成功したら、大げさなくらい褒め、最高の報酬を与えましょう。彼らは飼い主からの承認を強く求めます。
まとめ:知能と本能を活かして豊かな日常を!

| 牧羊犬との共生の課題 | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 知的欲求を満たす | 退屈による破壊や吠えといった問題行動を防ぐ。 | 毎日、新しいトリックやパズルを解かせる時間を設け、頭を使わせる。 |
| 2. 本能を健全に代替 | 動くものを追う本能や、ニッピング(噛みつき)を防ぐ。 | 室内でノーズワークやハーディングボール遊びなどを導入する。 |
| 3. 適切なリーダーシップ | 愛犬が群れのリーダーになろうとする過剰な本能を抑制する。 | 訓練を通して「待て」「伏せ」「座れ」を徹底し、飼い主が常に冷静に状況をコントロールしていることを示す。 |
牧羊犬グループは、適切な刺激と愛情を与えることで、飼い主にとって最高のパートナー、そして家族の素晴らしい一員となるでしょう。彼らの賢さを、ポジティブな方向に導いてあげてくださいね。


