
飼い主さん
トイレに行く回数が異常に増えたのに、
おしっこが少ししか出ていない?

飼い主さん
オス犬が踏ん張っているのに、尿が出ない。
これってただの便秘?
愛犬の排尿の異常(頻尿、血尿、排尿困難、または無尿)は、泌尿器系に問題が起きていることを示し、特に「尿が出ない」状態は、生命に関わる緊急事態です。
膀胱炎のように抗生剤で治る病気もあれば、尿道結石による閉塞のように、数時間で命を落とす危険がある病気も含まれます。排尿の異常に気づいた場合、「どこが詰まっているのか」、「どれだけ緊急性が高いのか」を迅速に見極めることが極めて重要です。
この記事では、まず排尿の異常が示す危険度を解説し、特に雄犬の尿路閉塞の緊急性を強調します。
次に、膀胱炎、尿路結石、腎不全など、それぞれの排泄異常から疑われる病気の症状の特徴を解説します。そして最後に、尿が出ない場合の家庭でできる応急処置と病院へ連絡すべき緊急サインを徹底解説します。
排尿の異常が示す、3つの危険度!
排尿の異常には、緊急度の高い順に以下の3つのパターンがあります。
危険度【超高】:尿路閉塞による「無尿」
- 症状: 頻繁にトイレの姿勢をとる(頻繁に踏ん張る)が、尿が全く出ない、またはポタポタと数滴しか出ない。
- メカニズム: 尿路結石や腫瘍などが尿道を塞ぎ、膀胱から尿が出せなくなる状態。
- 緊急性: 尿が体外に排出されないと、老廃物(尿毒素)が体内に溜まり、急性腎不全や高カリウム血症を引き起こし、数時間〜1日で命に関わるため、超緊急です。
危険度【中】:血尿・排尿困難を伴う「頻尿」
- 症状: トイレの回数が異常に多いが、1回に出る量が少ない。赤っぽい尿(血尿)や、排尿時に痛がって鳴く(排尿困難)ことを伴う。
- メカニズム: 膀胱炎や膀胱結石による膀胱の炎症や刺激。
- 緊急性: 命の危険は低いが、痛みを伴うため、速やかな治療が必要です。
危険度【低〜中】:尿の量や色の変化
- 症状: 尿の色が濃い(脱水)、または異常に薄い(多尿)、または量が異常に多い。
- メカニズム: 脱水、腎臓病、糖尿病など、他の病気の影響。
排泄異常から疑われる、主な病気リスト!
排尿の異常は、膀胱だけでなく、腎臓や尿道など、泌尿器系全体の病変を示します。
| 病気の種類 | 主な症状 | 危険性のポイント |
| 1. 尿路結石 | 頻尿、血尿、排尿困難、尿路閉塞のリスク | 特に雄犬は尿道が細いため、小さな結石でも閉塞しやすく、緊急手術が必要となることがある。 |
| 2. 膀胱炎 | 頻尿、血尿、残尿感、尿の濁り | 細菌感染が原因。重症化すると結石の原因となったり、腎臓へ炎症が波及したりするリスクがある。 |
| 3. 腎不全(慢性) | 多飲多尿、食欲不振、嘔吐、体重減少 | 腎臓の老廃物ろ過機能が低下し、最終的に尿毒症を引き起こす。症状が進行してから気づくことが多い。 |
| 4. 膀胱・前立腺の腫瘍 | 頻尿、血尿(持続的)、排尿困難 | 腫瘍が尿道を圧迫・閉塞させ、排尿困難を引き起こす。高齢犬に多く、進行性の病気である。 |
無尿が疑われる際の「緊急行動」
尿路閉塞は時間との勝負です。特に雄犬の飼い主様は、以下の行動をすぐに確認してください。
雄犬の緊急サイン
- 唸り声・落ち着きがない: トイレの姿勢で何度も踏ん張るが、背中を丸めて唸るなど、強い痛みや不快感を訴えている。
- 膀胱の異常な張り: 下腹部を軽く触ったときに、異常に硬く、パンパンに張っている(尿が溜まっているサイン)。
- 嘔吐やぐったり: 尿毒症が進行し始めているサイン。
家庭での応急処置
- 保温と移動: 尿が出ない場合は、体を冷やさないようにタオルなどで包み、すぐに動物病院に連絡して向かいます。
- 自己判断での水分補給NG: 脱水を心配して水を飲ませても、尿が出なければ悪化するだけです。自己判断で多量に水を与えるのは避けてください。
病院への連絡事項
「尿が全く出ていない」「雄犬で、トイレの姿勢で苦しそうにしている」「下腹部が張っている」といった、緊急性が高いことを電話で明確に伝え、すぐに診察を受けられるように手配してもらいましょう。
愛犬の排泄異常を防ぐ「日々のチェック」
異常の早期発見と予防には、日々の排泄物管理が欠かせません。
尿量のチェックと記録
- 回数: 普段のトイレ回数を把握しておき、異常な頻尿や回数の減少に気づけるようにします。
- 量と色: 1回に出る尿の量(シートの濡れ具合)と、尿の色(濃さ、透明度、血尿の有無)をチェックします。
水分補給と食事の管理
- 水分: 適切な飲水量を確保し、尿を薄く保つことで、結石の形成や細菌の増殖を防ぎます。
- 食事: 尿路結石のリスクがある場合は、ミネラルバランスを調整した療法食への切り替えが必要です。(獣医師の指示に従いましょう)
まとめ|排泄の異変に早く気づくことが愛犬を守る

| 行動原則 | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 無尿の確認 | 尿路閉塞(超緊急事態)を見逃さない。 | トイレの姿勢で尿が全く出ていないか、下腹部が張っていないかをすぐに確認する。 |
| 2. 雄犬の緊急性 | 雄犬の尿道閉塞リスクの高さを理解する。 | 雄犬で頻繁な踏ん張りが見られたら、緊急事態とみなし速やかに受診する。 |
| 3. 尿の観察 | 膀胱炎や結石といった痛みを伴う病気を見つける。 | 尿の色、量、排尿時の痛みの有無を記録し、獣医師に伝える。 |
排尿の異常は、愛犬の健康状態を測る重要なバロメーターです。日々の排泄をチェックし、特に尿が出ない場合は、一刻を争う事態として迅速に行動しましょうね。


