「吐き方の違いでわかる」わんちゃんの<嘔吐>の危険度チェック:胃液か、胆汁か、泡状か!

「吐き方の違いでわかる」わんちゃんの<嘔吐>の危険度チェック:胃液か、胆汁か、泡状か! 病気・けが
「吐き方の違いでわかる」わんちゃんの<嘔吐>の危険度チェック:胃液か、胆汁か、泡状か!
飼い主さん

愛犬が吐いたけど、黄色い液体だった…
これって何?

「吐き方の違いでわかる」わんちゃんの<嘔吐>の危険度チェック:胃液か、胆汁か、泡状か!
飼い主さん

吐いた後にケロッとしているから、様子見で大丈夫?

わんちゃんの嘔吐は、飼い主様が最も遭遇する体調不良のサインですが、その「吐き方」や「吐物(吐いたもの)の色や形」は、原因が単なる食べすぎなのか、それとも緊急性の高い病気なのかを判別する重要な手がかりとなります。特に、異物の誤飲による緊急事態や、膵炎、巨大食道症といった治療の迅速性が求められる病気の場合、吐物の種類を正確に把握することが愛犬の命を救うことにつながります。

この記事では、まず嘔吐と吐出(と出)の違いを解説し、異常な吐き方を区別します。
次に、吐物の色や状態から疑われる病気を具体的に解説し、緊急性の高い嘔吐家庭で様子を見て良い嘔吐の境界線を明確にします。
そして最後に、嘔吐時の家庭での適切な水分・絶食管理について解説します。

嘔吐と吐出(と出)の違いを区別する!

「吐く」という行動には、2つの異なるメカニズムがあります。

種類特徴原因となる病態
嘔吐(Omiting)腹筋を使い、激しくえずく動作を伴う。吐物の形は消化が進んでいることが多い。胃腸炎、膵炎、肝臓・腎臓病、誤飲、中毒など。
吐出(Regurgitation)腹筋を使わず、食べたものが突然、努力なしに戻る。吐物は未消化のまま、ドロドロの棒状になっていることが多い。巨大食道症、咽頭・食道の異常、喉の奥の腫瘍など。
  • ポイント: 吐出は食道の異常を示し、誤嚥性肺炎のリスクが高く、嘔吐とは全く異なる病気の可能性があるため、特に注意が必要です。

吐物の色と状態から、疑うべき病気リスト!

吐物の色や内容物は、消化管のどの部位に異常があるかを示しています。

吐物の色・状態吐物の正体疑われる主な病気と緊急性
黄色・緑色の液体胆汁(小腸から逆流したもの)または胃液(空腹時間が長すぎた)空腹時嘔吐(緊急性は低い)、膵炎腸閉塞(緊急性が高い)
白い泡状の液体唾液や胃液に空気が混ざったもの胃炎胃拡張・胃捻転症候群(緊急性が非常に高い)、喉の疾患
透明な液体胃液または飲んだ水一過性の刺激(緊急性は低い)、慢性的な胃炎腎臓病
コーヒーかす状の液体胃や食道からの出血(血液が胃酸で変色したもの)消化管潰瘍、腫瘍など、緊急性が非常に高い出血性疾患
未消化のフード食べたものがそのまま出ている状態食道・胃の通過障害(吐出の可能性)、食べすぎ早食い
異物・物体誤飲したおもちゃ、布、ビニール腸閉塞のリスクがあり、緊急性が高い

危険な嘔吐を見極める「緊急チェックリスト」

以下のサインが見られた場合、一刻を争う事態である可能性があります。

  1. 嘔吐が止まらない(1日に3回以上): 激しい脱水と電解質異常を引き起こすため、緊急性が高い。
  2. 吐物の中に血液が混ざっている: (赤色、またはコーヒーかす状) 消化管からの出血を示唆するため、緊急性が高い。
  3. 吐きたいのに吐けない(空吐き): 胃拡張・胃捻転症候群の可能性があり、緊急性が非常に高い
  4. 全身状態が悪い: 嘔吐に加えて、ぐったりしている、震えている、腹部を触ると痛がるなどの症状がある。
  5. 吐出(未消化のものが楽に戻る)の場合: 巨大食道症などによる誤嚥性肺炎のリスクがあり、要注意。

家庭でできる「絶食・水分管理」と、病院への情報提供!

一過性の嘔吐の場合、家庭での管理が重要ですが、判断に迷ったら必ず受診してください。

嘔吐時の適切な絶食・水分管理

症状対処法理由
一過性の嘔吐12時間〜24時間の絶食(水は少量ずつ)嘔吐の原因である胃腸を休ませるため。
絶食解除後低脂肪で消化に良い食事を少量から開始(療法食など)腸に負担をかけず、再度の嘔吐を防ぐため。
水分補給嘔吐が続く間は、少量(スプーン1杯程度)を頻繁に与える。一気に飲むと胃が刺激され、再び吐く原因になるため。

吐物処理と情報収集

  • 吐物を残す: 異物や血液の有無など、吐物の状態を獣医師に確認してもらうために、写真を撮るか、可能であれば少量ビニール袋に入れて病院へ持参しましょう。
  • 吐くタイミング: 食後すぐか、空腹時か、特定の行動後かなど、嘔吐のタイミングと頻度を正確に伝えることが、原因特定の手がかりとなります。

まとめ|「吐き方」は重要な健康チェックポイント

病院で診察を受ける犬
緊急行動目的と効果飼い主がすべき具体的な行動
1. 吐物の分析緊急性の高い出血や異物の有無をチェックする。吐物の色、形(未消化か)、血液の有無を観察し、写真を撮る
2. 空吐きの確認胃捻転という超緊急事態を見逃さない。吐きたそうにしているのに何も出ない(空吐き)場合は、すぐに病院へ連絡する。
3. 絶食の開始胃腸を休ませ、症状の悪化を防ぐ。12時間を目安に食事を与えず、水分は少量ずつ頻繁に与える。

わんちゃんの嘔吐は、症状が改善しても重大な病気が隠れていることがあります。特に血便や持続的な嘔吐が見られたら、迷わず専門家の診察を受けましょうね。