
うちの子、体を掻く回数が増えたけど、単なる乾燥?

フケがひどいけど、シャンプーが合っていないのかな?
わんちゃんの皮膚病は、動物病院の受診理由として最も多い疾患の一つです。
見た目のかゆみやフケだけでなく、脱毛、赤み、皮膚の黒ずみなど、様々な症状が現れます。
これらのサインを「ちょっとした乾燥」と見過ごしてしまうと、掻き壊しによる二次感染を引き起こし、治療が長引く原因となります。
皮膚は、「内臓の鏡」とも言われ、皮膚のトラブルの多くは、免疫、アレルギー、内分泌など、体内のバランスの乱れを反映しています。
早期に原因を特定し、治療と並行して適切な自宅ケアを行うことが、愛犬の皮膚の健康を
取り戻す鍵となります。
この記事では、まずわんちゃんの皮膚病を引き起こす「3大原因」を解説し、愛犬の皮膚に異常がないかを自宅でチェックできる具体的な方法を提示します。
次に、治療をサポートする正しいスキンケア法と、皮膚病対策としての食事管理の重要性を
徹底解説します。
まずチェック!皮膚トラブルでありがちなサイン!
わんちゃんの皮膚病は、主に「感染症」「寄生虫」「アレルギー」の3つの原因に分類されます。
複数の原因が複合している場合も少なくありません。
アレルギー性皮膚炎(自己免疫の過剰反応)
- 原因:
- 食物アレルギー: 食材(鶏肉、牛肉、小麦、乳製品など)への過剰な免疫反応。
- 環境アレルギー(アトピー): 環境中のアレルゲン(花粉、ハウスダスト、カビなど)を吸入・接触することで発症。
- 症状: 主に耳、脇の下、内股、足先に強いかゆみや赤み、慢性的な舐め壊しが見られます。
皮膚トラブルの原因が食事に関係している可能性については、
👉 犬のドッグフード選び方ガイド|失敗しないフード選びと、与え方のポイント!
をご覧ください。
感染症(細菌・真菌)
- 原因:
- 細菌性: ブドウ球菌などの常在菌が、免疫力の低下やアレルギーによるバリア機能の
破壊により異常増殖する。 - 真菌(マラセチア、皮膚糸状菌など): カビの一種。特にマラセチアは皮脂の多い場所で増殖しやすい。
- 細菌性: ブドウ球菌などの常在菌が、免疫力の低下やアレルギーによるバリア機能の
- 症状: フケ、ベタつき、体臭の悪化、皮膚の黒ずみ(色素沈着)。ニキビのような膿疱(のうほう)や、円形の脱毛が見られることもあります。
外部寄生虫
- 原因: ノミ、マダニ、ヒゼンダニ(疥癬)など。
- 症状: ノミによるアレルギー反応(ノミアレルギー性皮膚炎)は、腰部や尾の付け根に激しいかゆみと脱毛を引き起こします。ダニは強いかゆみやフケを伴う皮膚炎を起こします。
自宅でできる「皮膚病チェック」3つのサイン!
愛犬の皮膚病を早期に発見するために、日々のブラッシング時やスキンシップの際に、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
「かゆみ」のサイン
- チェック項目:
- 掻く回数: 以前と比べて掻く、噛む、舐める行為が目に見えて増えていないか。
- 特定部位の集中: 耳、足先、内股など、特定の場所を執拗に舐めたり噛んだりしていないか。
- 夜間のかゆみ: 寝ている間に、急にかゆがって起きることはないか。
「皮膚の状態」のサイン
- チェック項目:
- 赤み・発疹: 皮膚をかき分けてみて、赤いブツブツや炎症が起きていないか。
- フケ・体臭: フケが大量に出ていないか。特に脂っぽいベタつくフケや、油っぽい体(マラセチア感染の可能性)がないか。
- 黒ずみ・肥厚: 慢性的な炎症で皮膚が黒く色素沈着したり、象の皮膚のように厚くなっていないか。
皮膚トラブルと併発しやすい体臭の原因については、
👉 愛犬の匂いが気になる?体臭の原因とタイプ別対処法!
をご覧ください。
「被毛」のサイン
- チェック項目:
- 円形の脱毛: 掻き壊しではなく、丸い形の脱毛斑ができていないか(真菌症やホルモン疾患の可能性)。
- 毛の変色: 足先や口周りの毛が、舐めすぎによる唾液で赤茶色に変色していないか。
- 円形の脱毛: 掻き壊しではなく、丸い形の脱毛斑ができていないか(真菌症やホルモン疾患の可能性)。
再発防止と皮膚ケアの習慣 — 長く健康に過ごすために!
皮膚病の治療は、獣医師による投薬や薬用シャンプーが中心となりますが、飼い主が行う自宅でのケアが治癒を早め、再発を防ぐ鍵となります。
薬用シャンプーの正しい使い方
- 治療をサポート: 細菌や真菌を洗い流す、あるいは皮膚のバリア機能を高める成分が入った薬用シャンプーを使用します。
- 浸透時間: 獣医師の指示に従い、シャンプーを全身に馴染ませた後、5分〜10分程度置いて有効成分を浸透させる必要があります。
- 頻度: 症状に応じて週1回〜2回など、獣医師の指示を守り、自己判断で頻度を減らさないことが重要です。
体の洗いすぎ・洗い残しによる皮膚悪化を防ぐ方法については、
👉 はじめの一歩|室内犬の<シャンプー>を怖がらせない!手順と準備、ドライヤーの慣らし方ガイド!
をご覧ください。
保湿とバリア機能の強化
- 乾燥対策: 薬用シャンプー後は、皮膚が乾燥しやすくなります。犬専用の保湿スプレーやローションを、特に乾燥しやすい部位や炎症が治まった後に塗布し、皮膚のバリア機能を回復させます。
- 掻き壊し対策: 激しいかゆみがある場合は、エリザベスカラーや服を着せて、掻き壊しによる二次感染を防ぎます。
食物アレルギー対策の重要性
- 診断: アレルギーが疑われる場合、血液検査よりも「除去食試験」が最も信頼性の高い診断法となります。
- 除去食: 獣医師の指示のもと、アレルゲンとなりやすい食材を含まないアレルギー対応の療法食や、新しいタンパク質源(例:鹿肉、ラム肉、魚)に切り替えます。この期間中、おやつや人間の食べ物は絶対に与えてはいけません。
かゆみの背景にアレルギーや空気環境が関係している場合は、
👉 健康科学|室内犬の健康を守る<換気・空気質>の科学!アレルギーとハウスダスト対策!
をご覧ください。
まとめ — 皮膚は“健康のバロメーター”。早め・丁寧なケアで愛犬を守ろう!

| 鉄則 | 目的と判断基準 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 早期受診 | 原因を特定し、対症療法ではなく根本治療を開始する。 | かゆみが3日以上続く、または赤みや体臭が出たら受診する。 |
| 2. 掻き壊し防止 | 掻き壊しによる二次感染と 炎症の悪化を防ぐ。 | エリザベスカラーや服で物理的に掻くのを制限する。 |
| 3. 適切なケア | 治療効果を最大化し、再発を防ぐ。 | 薬用シャンプーの浸透時間と頻度を守り、シャンプー後は保湿を徹底する。 |
皮膚病の治療は、根気が必要ですが、早期に原因を特定し、毎日の丁寧なケアを続けることが、愛犬を不快なかゆみから解放し、皮膚の健康を守る最も確実な方法ですよ。
毎日の被毛ケアで皮膚環境を整える方法については、
👉 正しい犬のブラッシング方法|毛質別・頻度・注意点まとめ!
をご覧ください。


