
愛犬が何か飲み込んだ!
すぐ吐かせたいけど、家でできることはある?

チョコレートや玉ねぎを食べてしまったら、
どれくらいの量で危険なの?
愛犬の誤飲・誤食は、飼い主にとって最も心臓が凍る瞬間の一つです。
特に、人間にとっては無害な食品や日用品の中には、わんちゃんの体内で中毒症状や消化管の閉塞を引き起こし、命に関わる重篤な事態に発展するものも少なくありません。誤飲・誤食事故が発生した際、最も重要なのは「時間」です。
毒物が体内に吸収される前に「最速で排出させる処置」、すなわち動物病院での催吐処置(さいとしょち)を行うかどうかの判断を、飼い主がいかに迅速かつ正確に行えるかが、愛犬の生死を分けます。
この記事では、まず誤飲・誤食が引き起こす3つの緊急事態を解説します。
次に、飼い主が見落としがちな「食べてはいけないもの」の緊急ランキングと、中毒症状の具体例を提示します。そして最後に、愛犬の命を守るために必要な催吐処置の「判断基準」と、自宅で絶対にしてはいけないNG行動を徹底解説します。
誤飲・誤食が引き起こす「3つの緊急事態」
愛犬の誤飲・誤食は、3つの異なる危険性を持っています。何を、いつ、どれだけ食べたかで緊急度が変わります。
【最緊急】中毒による神経・内臓障害
- 原因: チョコレート、キシリトール、玉ねぎ、薬品、特定の植物など。
- 危険性: 毒物が血液中に吸収され、肝臓、腎臓、神経系に重篤なダメージを与え、最悪の場合、けいれん、昏睡、死に至ります。
【緊急】消化管の物理的閉塞
- 原因: 布、靴下、骨、おもちゃの破片、トウモロコシの芯、大量のヒモ状のものなど。
- 危険性: 食道や腸に詰まり、食べ物が流れなくなる(閉塞)ことで、嘔吐が止まらなくなったり、腸壁が壊死したりする可能性があります。
【注意】食道・胃の粘膜損傷
- 原因: 尖ったもの(針、ガラス、鶏の骨の破片)、酸性・アルカリ性の洗剤など。
- 危険性: 消化管の粘膜を傷つけ、出血や炎症、穿孔(穴が開くこと)を引き起こす可能性があります。
中毒以外の異物誤飲を含めた緊急時の対処法は、
👉 「救急処置」犬の誤飲・誤食は命取り!危険なモノ一覧と、自宅でできる応急対応!
をご覧ください。
食べてはいけないもの「緊急度ランキング」
以下の食品や日用品は、わんちゃんにとって特に危険性が高く、誤食が判明した時点で速やかな
対応が必要です。
| 危険度ランク | 危険な食べ物・物質 | 中毒症状(初期) | 摂取量と緊急度 |
| 【最上位】 | キシリトール (人工甘味料) | 嘔吐、脱力、 けいれん、低血糖 | 少量でも急激な低血糖を引き起こし、命に 関わる。 |
| チョコレート (特にダーク) | 嘔吐、下痢、頻脈、 興奮、けいれん | カカオ含有量が多いほど危険。体重1kgあたりの量で中毒レベルを判断。 | |
| 【上位】 | 玉ねぎ、ネギ、 ニンニク | 嘔吐、血尿、貧血 (粘膜が白くなる)、黄疸 | 加熱しても毒性は 消えない。継続的な 摂取で慢性中毒も。 |
| ヒトの市販薬 (アセトアミノフェンなど) | ぐったり、呼吸困難、顔面浮腫 | 1錠でもわんちゃんの肝臓に致死的なダメージを与える可能性がある。 | |
| 【要注意】 | アルコール飲料 | 嘔吐、失禁、 呼吸抑制、 中枢神経抑制 | 少量でも中毒が起こる。 |
| ブドウ・レーズン | 嘔吐、下痢、 食欲不振、急性腎不全 | 原因物質不明だが、 少量でも腎臓に重篤な障害を与える場合が ある。 |
日常でうっかり与えてしまいがちな“犬に危険な食べ物”の一覧は、
👉 「食べるな危険」人間には良くても、わんちゃんには毒! わんちゃんが絶対に、食べてはいけない<危険な食べ物>リスト!
をご覧ください。
催吐処置の「判断基準」と「自宅処置NG集」
誤飲・誤食が判明したら、飼い主がすべきことは「すぐに病院に電話すること」です。自宅での処置は非常に危険です。
催吐処置を「急ぐべき」判断基準
催吐処置は、誤食後2時間以内に行うのが最も効果的です。この時間を過ぎると、毒物が胃を通過し、吸収が始まってしまうためです。
- 動物病院への連絡で伝えるべき情報
- 何を(製品名、成分)
- どれくらいの量(だいたいのグラム数、個数)
- いつ(誤食した正確な時間)
- 愛犬の体重(処置に必要な薬剤量を計算するため)
- 現在の愛犬の状態(嘔吐、けいれんなどの有無)
絶対にやってはいけない「自宅処置NG行動」
飼い主の善意による行動が、かえって愛犬を危険に晒すことがあります。
- NG行為1:塩水を飲ませて吐かせる
- 危険性: 塩分を大量に摂取させるため、「塩中毒」や重度の高ナトリウム血症を引き起こし、脳浮腫や神経症状を起こすリスクがあり、非常に危険です。
- NG行為2:牛乳を飲ませる
- 危険性: 牛乳は脂肪分が高く、毒物の吸収を促進したり、嘔吐によって誤嚥しやすくなったりする場合があります。
- NG行為3:無理に吐かせようと喉を刺激する
- 危険性: 食道や喉を傷つけるだけでなく、わんちゃんがパニックになり、かえって吐き出しにくくなる場合があります。
催吐処置を「行わない」方が良いケース
以下の場合、催吐処置は行わず、直ちに病院へ搬送することが優先されます。
- すでに中毒症状(けいれん、意識障害など)が出ている場合(処置中に誤嚥のリスクが高まる)。
- 酸性・アルカリ性の物質(洗剤、漂白剤など)を飲み込んだ場合(吐き戻す際に食道が二重に損傷を受ける)。
- 尖った異物(針、ガラス、尖った骨など)を飲み込んだ場合(吐き戻す際に消化管を傷つける)。
「ぐったり」「元気がない」など全身症状が出た場合の見分け方は、
👉 「犬が元気がないときに考えられる原因と対処法」見逃せないサイン!
をご覧ください。
まとめ:中毒事故の「最速排出」3原則!

| 原則 | 目的と判断基準 | 飼い主がすべき 具体的な行動 |
| 1. 時間厳守 | 毒物が吸収される2時間以内に行動を開始する。 | まず病院に電話し、誤食内容・量・時間を正確に伝える。 |
| 2. 正確な情報 | 毒物の成分と量を特定し、 催吐処置の是非を獣医師に 判断させる。 | 食べた物のパッケージを持参または写真を撮り、病院へ連絡。 |
| 3. 自宅処置の回避 | 塩中毒や誤嚥など、二次的な被害を防ぐ。 | 塩水や牛乳は絶対NG。わんちゃんを保温し、静かに搬送する。 |
誤飲・誤食事故は、一瞬の不注意で起こりますが、その後の飼い主の冷静かつ迅速な対応が、愛犬の命を救います。決して自己判断せず、必ず専門家の指示を仰ぎましょうね。
家の中に潜む事故リスクの総点検は、
👉 「家の中に潜む危険」犬の火傷(やけど)のサインは? 熱源からの予防と応急処置!
をご覧ください。


