
昨日の散歩では元気だったのに、
今日は朝からベッドで丸まったまま動かない…

なんとなくぐったりしているけど、
ただの疲れ?病院に行くべきか迷ってしまう…
愛犬の「元気がない」状態は、飼い主にとって最も心配な健康サインの一つです。
わんちゃんは体調が悪いことを隠そうとする習性があるため、「元気がない」「ぐったりしている」という状態は、単なる気分的なものではなく、すでに病気が進行している、あるいは命に関わる重篤な病気の初期症状である可能性が極めて高いです。
この曖昧なサインを見逃し、「疲れているだけだろう」と様子見をしてしまうと、数時間の遅れが愛犬の命を奪うことになりかねません。
この記事では、まず愛犬の「元気がない」状態を科学的に3つの段階に分類し、飼い主さんが自宅でできる「緊急度の判断基準」を明確に提示します。
次に、「元気がない」の背後に隠された具体的な重篤な病気のサインを解説します。そして最後に、愛犬の命を守るために、獣医師に正確に情報を伝え、安全に病院へ向かうための具体的な行動を徹底解説します。
科学的に分類!「元気がない」の3段階!
愛犬の「元気がない」状態は、その度合いによって緊急度が異なります。愛犬が今、どの段階にあるかを冷静にチェックしましょう。
段階1:【軽度】意欲の低下
- 状態: 普段よりも寝ている時間が長く、遊びや散歩への関心が低い。呼びかけやフードには
反応するが、すぐに横になる。 - 考えられる原因: 軽度の痛み(関節痛)、軽度の体調不良、一時的なストレス。
- 行動: 数時間〜半日は、食事、飲水、排泄のチェックを行いながら注意深く観察。
段階2:【中度】活動の低下
- 状態: 呼びかけやご褒美にもあまり反応しない。自発的に立ち上がったり、動いたりする
回数が激減する。食欲がほとんどない、または全くない。 - 考えられる原因: 発熱を伴う感染症、内臓疾患(膵炎、腎臓病の悪化)、痛みを伴う病気。
- 行動: 緊急。 すぐに獣医師に電話し、その日のうちに受診の準備をする。
食欲不振や活動量の低下が続く場合に疑うべき病気については、
👉 急な食欲不振・活動量の低下|わんちゃんの<貧血>が示す、深刻な病気の可能性!
をご覧ください。
3段階:【重度】虚脱・昏睡
- 状態: 自力で立ち上がれない。
体を触ってもだらりとして反応が薄い。意識が朦朧としている、または失っている。 - 考えられる原因: 重度の内出血(脾臓の腫瘍破裂)、ショック状態、重度の脱水、低血糖、急性中毒。
- 行動: 超緊急。 直ちに緊急病院へ連絡し、向かう。
命を守る!バイタルサイン緊急度チェック!
愛犬の命が危険な状態にあるかを判断するために、以下の3つのバイタルサインを自宅で確認してください。
歯茎の色と回復時間
- チェック方法: 上唇をめくり、歯茎(粘膜)の色を確認し、指で押して白くなった部分が何秒でピンク色に戻るかを測ります。
- 危険サイン:
- 色が白い・青白い: 重度の貧血、内出血、ショック状態(超緊急)。
- 回復に2秒以上かかる: 血行不良、脱水、ショック状態(緊急)。
- 色が真っ赤: 高熱、敗血症、熱中症(緊急)。
体温の異常
- チェック方法: 動物用の体温計で直腸温を測ります。(※犬の平熱は38.0〜39.0℃)
- 危険サイン:
- 37.5℃以下: 低体温。重度のショック、敗血症など(超緊急)。
- 40℃以上: 高熱。感染症、熱中症など(緊急)。
安静時の呼吸数
- チェック方法: 愛犬が完全に寝ている状態で、胸の動き(1分間)を数えます。
- 危険サイン: 1分間に40回以上の呼吸が続く(特に浅く速い呼吸)。肺水腫、心不全、激しい痛みの可能性(緊急)。
「元気がない」が示す具体的な、重篤な病気!
「元気がない」というサインは、体内のシステム異常のシグナルです。特に以下の病気が隠れていることがあります。
- 【腎臓病・糖尿病】
- サイン: 「元気がない」に加え、水を大量に飲み、おしっこを大量にする(多飲多尿)。
- 危険性: 腎機能やインスリン機能の低下。特に糖尿病では、重度の低血糖や糖尿病性ケトアシドーシスにつながる。
- 【心臓病・肺水腫】
- サイン: 「元気がない」に加え、乾いた咳や息切れ、チアノーゼ(舌が青紫色)。
- 危険性: 酸素供給能力の低下。肺水腫は数時間で命に関わる。
- 【内出血・脾臓腫瘍】
- サイン: 突然の「元気がない」、歯茎が白い、腹部の膨らみ。
- 危険性: 脾臓の腫瘍が破裂し、腹腔内で大量に出血している可能性があり、緊急手術が必要。
- 【膵炎】
- サイン: 「元気がない」に加え、激しい嘔吐、下痢、腹部の痛み(痛がって丸くなる)。
- 危険性: 炎症が重度になると、全身性のショックを引き起こす。
元気がない原因がストレスや不安の可能性がある場合は、
👉 実は怖い!愛犬が、あくび・ぺろぺろをする時、本当に伝えたいストレスサイン3選!
をご覧ください。
シニア期特有の変化が関係している場合は、
👉 高齢犬の異変|急な<夜鳴き・徘徊>は認知症?早期発見のためのチェックリストと接し方!
をご覧ください。
愛犬の命を守る「飼い主の行動」
「元気がない」状態を確認したら、安易な自己判断を避け、迅速に行動することが求められます。
自己判断せず、正確な情報を伝える
- 最優先: 獣医師に電話し、「ぐったりしている」だけでなく、チェックしたバイタルサイン(体温、呼吸数、歯茎の色)を正確に伝えます。
- 情報: 「いつから」「何か変わったことはあったか(誤飲の可能性)」を具体的に伝え、獣医師の指示に従います。
ぐったりしている時に見逃してはいけない緊急サインについては、
👉 「ぐったりしている」犬の熱中症と脱水の見分け方!命を救う緊急クーリング方法!
をご覧ください。
保温と安静の確保
- 保温: 低体温は危険です。愛犬を毛布で優しく包み、体温の低下を防ぎます。
- 絶対安静: 痛みや麻痺、内出血の可能性があるため、無理に立たせたり、歩かせたりしてはいけません。クレートや担架代わりの板、厚手の毛布などで体を固定したまま搬送準備をします。
飲水・給餌の注意
- 原則厳禁: 嘔吐や腹部の痛みがある場合、水や食べ物を絶対に与えてはいけません。胃や腸への刺激となり、症状を悪化させる可能性があるためです。
- 例外: 獣医師から低血糖の可能性を指摘された場合のみ、指示された量の砂糖水を少量与えるなど、専門家の指示に従います。
まとめ:「元気がない」を見逃さないための、チェックリスト!

| サインの種類 | 危険度 | 病院へ行くタイミング |
| 意識・反応がない | 超緊急 | 直ちに。夜間・休日問わず緊急病院へ。 |
| 歯茎が白い/青い | 超緊急 | 直ちに。貧血やショックの可能性。 |
| 食欲・飲水がない | 緊急 | 半日〜1日。特に嘔吐・下痢を伴う場合はすぐ。 |
| 安静時の呼吸が速い | 緊急 | 半日以内。心臓病や肺水腫のサインの可能性。 |
「元気がない」という愛犬のサインは、私たち飼い主にとっての最大の警告です。
日々の観察を怠らず、「いつもと違う」という直感を大切にし、冷静かつ迅速な行動で愛犬の命を
守りましょうね。
嘔吐や下痢を伴う場合の危険度チェックについては、
👉 犬の下痢・嘔吐の対処法|原因・チェックポイントと家庭でできるケア!
をご覧ください。


