犬の手術・入院費はいくら?病気別の目安と、いざという時に備える3つの方法

犬の手術・入院費はいくら?病気別の目安と、いざという時に備える3つの方法 病気・けが

※本記事は広告(プロモーション)を含みます。また、記載している費用はあくまで目安であり実際の金額は動物病院・地域・症状によって異なります。
診断や治療の判断は必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。

「うちの子が急に歩けなくなった」「誤飲で手術が必要と言われた」——そんなとき、頭をよぎるのが治療費のことではないでしょうか。犬には人間のような健康保険がないため、かかった費用は原則すべて自己負担になります。
この記事では、実際に公表されているデータをもとに犬の手術・入院費の目安と、いざという時に慌てないための3つの備え方をまとめました。

犬の医療費は1年でいくらかかる?まずは平均から

ペット保険大手アニコム損保が契約者5,494人に行った調査(2025年の1年間・2026年3月発表)によると、犬1頭にかけた1年間の費用は413,416円で、そのうち治療費は89,120円でした。前の年と比べて治療費は110.9%と増えています。

ただしこれは「病気をしなかった子」も含めた平均です。実際には、何もなければ年に数千円〜数万円で済む一方、手術が必要になった年だけ一気に数十万円に跳ね上がる——これが犬の医療費の特徴です。

病気・ケガ別|1年間の医療費の目安(手術あり・なし)

よくある病気・ケガについて、手術をした場合としなかった場合で1年間の医療費がどれくらい変わるかの目安です。

病気・ケガ手術ありの場合手術なしの場合
椎間板ヘルニア約383,000円約48,000円
骨折約232,000円約58,000円
泌尿器の病気約170,000円約22,000円
異物の誤飲(消化器)約130,000円約17,000円
目の病気約130,000円約14,000円
出典:アニコム「家庭どうぶつ白書mini」(価格.com ペット保険に掲載)の数値をもとに作成。金額は目安であり、実際の診療費は病院・症状によって異なります。

表を見ると、手術をするかどうかで金額が5〜8倍ほど変わることがわかります。特に椎間板ヘルニアは、ミニチュア・ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなどなりやすい犬種がはっきりしている病気です。

実際の請求例|椎間板ヘルニアで337,650円

もう少し具体的に見てみましょう。ミニチュア・ダックスフンド(3歳)が椎間板ヘルニアで手術1回・通院6回を受けたときの内訳です。

診療内容金額
手術127,300円
MRI検査89,000円
入院39,700円
麻酔(全身麻酔含む)38,000円
通院(5回6日)20,400円
処置12,200円
検査7,100円
注射2,450円
診断1,500円
合計337,650円
出典:アイペット損害保険の保険金支払データ(価格.com ペット保険に掲載)。診療費は病院によって異なります。

注目したいのはMRI検査だけで89,000円かかっている点です。犬の場合、MRIやCTを撮るには全身麻酔が必要になるため、検査そのものの費用も人間より高くなりがちです。

さらに高額なケースもあります。アイペット損保が公表した過去の支払事例では、全身麻痺で約190万円、脳腫瘍で約135万円、骨折で約113万円という記録が残っています。まれではありますが、100万円を超える可能性はゼロではないと知っておくと備えを考えやすくなります。

なぜ犬の医療費は高くなるの?(2つの理由)

理由1|人間の健康保険が使えないから

私たちが病院で払うのはかかった医療費の1〜3割だけです。残りは公的な健康保険がまかなってくれています。ところが動物には公的な健康保険の制度がないため、治療費は10割(全額)が飼い主さんの負担になります。人間なら3,000円で済む処置が、犬だと1万円かかる感覚です。

理由2|病院ごとに料金が違うから

意外に知られていませんが、動物病院の診療料金には決められた全国共通の価格表がありません。日本獣医師会は、獣医師団体が基準料金を決めたり獣医師同士で料金を取り決めたりすることは独占禁止法で禁じられていると説明しています。そのため「動物病院によって料金に差があるのはやむを得ない」とされています。

つまり、同じ手術でもA病院とB病院で金額が違うのは普通のことです。高い=ぼったくり、安い=手抜き、ということではありません。気になったら遠慮せず見積もりを聞くのが正解です。

いざという時に備える3つの方法

備え方は大きく3つあります。どれか1つを選ぶというより組み合わせて考えるのが現実的です。

方法良いところ気をつけるところ
① 貯金でそなえる使わなければ全額残る。使い道が自由貯まる前に病気になると間に合わない
② ペット保険に入る高額な手術でも自己負担を抑えられる毎月の保険料がかかる。加入前からの病気は対象外になることが多い
③ 予防でリスクを減らす費用がほとんどかからない。今日から始められるすべての病気を防げるわけではない

① 貯金でそなえる

「犬用の口座」を作って毎月決まった額を入れておく方法です。前述のとおり手術をともなう治療は20〜40万円台になることが多いため、まず30万円を目標にすると目安が立てやすくなります。月5,000円なら5年、月10,000円なら2年半でたどり着く計算です。

② ペット保険に入る

治療費の50%や70%を保険会社が負担してくれる仕組みです。高額な手術になったときの安心感は大きい一方、次の点は加入前に必ず確認してください。

  • 補償される割合(50%型・70%型など)と、1回・1年あたりの上限額
  • 通院も対象か(手術と入院のみのプランもあります)
  • 加入前からの病気の扱い(多くは補償の対象外です)
  • 年齢とともに上がる保険料(シニアになるほど負担が増えます)
  • 予防接種・健康診断・避妊去勢など、病気ではないものは対象外が一般的

どの保険が合うかは、犬種・年齢・家計によって変わります。このブログでは特定の保険会社をおすすめすることはしていません。複数社の資料を取り寄せて上の5点を並べて比べてから決めることをおすすめします。

③ 予防でリスクを減らす

お金をかけずに今日から始められて、しかも効果が大きいのがこれです。次の章でくわしく見ていきます。

医療費を抑えるためにできる5つの習慣

上の表で見た高額な治療の多くは、日ごろの工夫で「なりにくくする」ことができます。

1. 体重を増やしすぎない

体重が増えると腰や膝の関節に負担がかかり椎間板ヘルニアや関節の病気につながりやすくなります。見た目で判断するBCS(ボディコンディションスコア)で月に1回チェックする習慣をつけましょう。

2. 誤飲・誤食をさせない環境をつくる

誤飲は開腹手術になれば13万円前後かかりますが、床に物を置かないだけで大きく防げる事故でもあります。犬に危険な食べ物誤飲したときの応急対応は一度目を通しておくと安心です。

3. 歯みがきを習慣にする

歯石がたまると、全身麻酔での歯石除去や抜歯が必要になることがあります。麻酔をともなう処置は費用も体への負担も大きいので、毎日の歯みがきがいちばんの節約です。

4. 小さな変化を早めに見つける

「様子を見よう」で悪化させてしまうと通院で済んだはずが手術になることがあります。吐き方の違い体のしこり足をひきずる咳や息切れ——気になるサインは早めに受診してください。

5. 健康診断を年1回受ける

数千円〜2万円ほどの費用はかかりますが腎臓病や心臓病を早い段階で見つけられれば、その後の治療費を大きく抑えられます。7歳を過ぎたら年2回に増やすのもひとつの考え方です。

もしもの時に慌てないための準備

  • 夜間・救急の動物病院を今のうちに調べておく(住所と電話番号をスマホに保存)
  • 治療前に見積もりをお願いする(費用の説明を受けるのは飼い主の当然の権利です)
  • クレジットカードが使えるか確認しておく(高額な支払いで慌てないため)
  • 治療の選択肢を複数聞く(手術以外の方法があるか、費用と体への負担はどう違うか)
  • 防災グッズと一緒にかかりつけ医の情報や飲んでいる薬をメモしておく

退院後の「おうちケア」も費用のうち

見落とされがちですが退院してからの在宅ケアにも費用がかかります。たとえば心臓病や呼吸器の病気で「家でも酸素を吸わせてあげて」と言われた場合、酸素室を用意することになります。買うと高額ですがレンタルなら初期費用0円で月額制のサービスもあります。くわしくはペット用酸素室のガイド記事にまとめました。

※在宅酸素は治療の代わりにはなりません。使うかどうかは必ず獣医師の指示のもとで判断してください。

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ペット用酸素室 犬の手術・入院費はいくら?病気別の目安と、いざという時に備える3つの方法

よくある質問(Q&A)

Q. ペット保険には入ったほうがいいですか?

A. 一概には言えません。まとまった貯金がすでにある方は必要性が低くなりますし、逆に「急に30万円は出せない」というご家庭では安心材料になります。ご自身の家計と犬種ごとのかかりやすい病気を照らし合わせて判断してください。なおこのブログは保険の販売や仲介はしていません。

Q. 治療費が払えないときはどうすれば?

A. まずは獣医師に正直に相談してください。分割払いに応じてくれる病院や費用を抑えた治療の選択肢を提案してくれる病院もあります。だまって受診をやめてしまうのが犬にとっても家計にとっても一番よくない選択です。

Q. シニアになってから保険に入れますか?

A. 新規で加入できる年齢に上限を設けている会社が多く、加入できても保険料は高くなります。また、すでにかかっている病気は補償の対象外になるのが一般的です。検討するなら早い時期のほうが選択肢は広くなります。

Q. 避妊・去勢手術も保険でカバーされますか?

A. 病気の治療ではないため基本的に対象外です。ワクチン・健康診断・爪切りなども同じ扱いになります。避妊・去勢のメリット・デメリットは別記事にまとめています。

まとめ|「知っておく」だけで、選べる幅が広がります

  • 犬の治療費は全額自己負担。1年間の平均は約89,000円だが、手術があると20〜40万円台になることが多い
  • 動物病院の料金は全国共通ではないので、見積もりを聞くのは当たり前のこと
  • 備え方は①貯金 ②ペット保険 ③予防の3つ。組み合わせて考える
  • 体重管理・誤飲対策・歯みがき・早めの受診・年1回の健診が、いちばん確実な節約になる

お金の話は考えたくないテーマかもしれません。でも、いざという時に「お金がないから」で治療をあきらめずに済むよう、元気なうちに一度だけ向き合っておく。それが結果として愛犬と長く一緒にいられる準備になります。

動物病院で獣医師の診察を受ける犬
気になるサインに早めに気づいて受診することが、愛犬の体にも家計にもいちばんやさしい選択になります。

【参考】アニコム損害保険「2025最新版 ペットにかける年間支出調査」/アニコム「家庭どうぶつ白書mini」・アイペット損害保険の保険金支払データ(価格.com ペット保険に掲載)/公益社団法人日本獣医師会「小動物診療料金」。※各データは調査時点が異なります。金額はすべて目安です。

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