「しこりの見分け方」犬の体表に見つけた<かたまり・腫れ>の良性・悪性を見分ける初期チェック!

「しこりの見分け方」犬の体表に見つけた<かたまり・腫れ>の良性・悪性を見分ける初期チェック! 病気・けが
「しこりの見分け方」犬の体表に見つけた<かたまり・腫れ>の良性・悪性を見分ける初期チェック!
飼い主さん

ブラッシング中に愛犬の体に
グリグリしたしこりを見つけた

「しこりの見分け方」犬の体表に見つけた<かたまり・腫れ>の良性・悪性を見分ける初期チェック!
飼い主さん

これってただの脂肪の塊?
それとも癌かもしれない…

愛犬の体にしこりや腫れを見つけたとき、飼い主様が真っ先に不安になるのは当然です。
わんちゃんのしこりの多くは「良性」ですが、中には進行が速く、命に関わる「悪性(癌)」の腫瘍も含まれており、早期発見と正確な判断がその後の治療を大きく左右します。特に、室内で密接に暮らす愛犬は、日々のブラッシングやマッサージの際にしこりに気づくチャンスが多く、この機会を逃さないことが重要です。

この記事では、まずわんちゃんの体表にできるしこりの代表的な種類(良性と悪性)とその特徴を解説します。
次に、飼い主様が自宅でできる「しこりの初期チェックリスト」を提示し、しこりの硬さ、可動性、成長スピードから、その危険度を判断する方法を徹底解説します。
そして最後に、絶対に自己判断せず、すぐに病院へ行くべき緊急のサインを解説します。

わんちゃんの体表にできる「しこり」の代表的な種類!

わんちゃんの体表のしこりは、発生源となる組織によって種類が分かれ、それぞれに特徴があります。

最も多い「良性」のしこり

種類特徴発生部位と触感
脂肪腫(リポーマ)最も一般的で、脂肪組織が異常に増殖したもの。中高齢犬に多い。皮膚の下で比較的柔らかく容易に動く(可動性が高い)。急激には大きくならない。
脂腺腫皮脂腺が腫瘍化したもの。小型犬の頭や体幹によく見られる。小さく、カリフラワー状イボ状の外観を呈することがある。
組織球腫免疫細胞が増殖したもの。若齢犬(2歳未満)に多く、数ヶ月で自然に消えることもある。赤みを帯びたドーム状の形をしている。
アテローマ(表皮嚢胞)皮膚の老廃物が詰まった袋状のしこり。中央に黒い点(出口)が見えることがある。弾力があり、押すと内容物が出ることがある。

注意が必要な「悪性」のしこり(癌)

種類特徴発生部位と触感
肥満細胞腫皮膚癌の中で最も多い悪性腫瘍。アレルギー反応に関わる細胞から発生する。硬さや見た目が多様で、赤みを帯びたり、触るとサイズが変化(膨らんだり縮んだり)したりすることがある。
線維肉腫結合組織から発生する悪性腫瘍。硬く、周囲の組織にしっかりと固定されて動かない(可動性が低い)ことが多い。急速に大きくなる傾向がある。
乳腺腫瘍雌犬の乳腺にできる腫瘍。悪性の割合が約50%。乳首やその周辺にでき、硬い塊として触れる。避妊手術をしていない高齢犬に多い。

自宅でできる!しこりの「初期チェックリスト」

しこりを見つけたら、パニックにならず、以下の5つの項目をチェックし、記録しましょう。この情報は獣医師の診断に非常に役立ちます。

チェック項目良性(脂肪腫など)の傾向悪性(癌)の傾向
1. 可動性(動き)皮膚の下で自由に動く。指で挟んで持ち上げられる。皮膚や筋肉に強く固着しており、動かない、あるいはわずかしか動かない。
2. 硬さ柔らかい(押すと凹む)、または弾力がある(グミのような)。石のように硬い。触っても変形しない。
3. 成長速度数ヶ月単位でゆっくり大きくなる、または変化がない数週間〜1ヶ月単位で急激に大きくなる。
4. 表面の状態毛が生えていて、皮膚の色が正常である。皮膚が赤く腫れている出血している毛が抜けている、または潰瘍(ただれ)ができている。
5. サイズと形丸い形をしていることが多い。不規則な形をしていることが多い。

記録の重要性

しこりを見つけたら、「いつ、どこに、どれくらいの大きさで、どのような触感だったか」を記録し、定期的に写真を撮っておきましょう。特に「成長速度」は良性か悪性かを判断する上で極めて重要な情報です。

すぐに病院へ行くべき「緊急サイン」

自宅での初期チェックの結果にかかわらず、以下のサインが見られた場合は、緊急性が高いと判断し、すぐに動物病院を受診してください。

  1. 出血や潰瘍(ただれ)がある: 腫瘍の表面が崩れて出血したり、ただれたりしている場合。特に肥満細胞腫は潰瘍ができやすいです。
  2. 数週間でサイズが急激に大きくなった: 悪性腫瘍は増殖スピードが速い傾向があります。
  3. 痛みや熱を持っている: しこりを触るとわんちゃんが痛がったり、その部分だけ熱を持っていたりする場合、炎症や感染、悪性の可能性も考えられます。
  4. 可動性がなく、周囲の組織に固定されている: 悪性腫瘍は周囲に浸潤(しみこむ)するため、動きません。
  5. 全身状態が悪い: しこりがあるだけでなく、食欲不振、嘔吐、ぐったりしているなどの全身症状を伴う場合。

病院での診断と、治療の進め方!

しこりを見つけた場合、自己判断せずに獣医師に相談することが唯一の正解です。

病院での診断

  • FNA(細針吸引検査): ほとんどの場合、最初にこの検査が行われます。細い針をしこりに刺して細胞を採取し、顕微鏡で良性か悪性か、細胞の種類を調べます。これはわんちゃんに大きな負担をかけずにできる最も重要な初期診断です。
  • 病理検査(生検): FNAで判断が難しい場合や、手術を行う場合に、しこりの一部または全部を切り取り、詳しく組織を検査します。

治療の選択肢

  • 良性腫瘍: 基本的には経過観察で問題ありませんが、大きくなったり、わんちゃんの生活の邪魔になったりする場合は手術で摘出します。
  • 悪性腫瘍(癌): 早期に外科手術で完全に取り除くことが第一選択となります。腫瘍の種類や進行度に応じて、抗癌剤治療や放射線治療が組み合わされます。

まとめ — しこりを“怖がらず正しく観察”するために

診察している犬
行動原則目的と効果飼い主がすべき具体的な行動
1. 初期チェック病院に行く前に危険度の傾向を把握し、獣医師に正確な情報を提供する。可動性、硬さ、成長速度、表面の状態を観察し、記録する。
2. 自己判断NG良性に見えても悪性の可能性があるため、確実に診断を受ける。「ただの脂肪だ」と決めつけず、必ず動物病院でFNA検査を受ける。
3. 早期の受診悪性だった場合、進行する前に治療を開始し、完治の可能性を高める。急激な変化潰瘍が見られたら、予約なしですぐに受診する。

愛犬の命を守るため、日々のスキンシップの中でしこりがないか確認し、異変に気づいたら迷わず専門家の判断を仰ぎましょうね。