「災害時のSOS」愛犬の<ケガ・体調不良>への応急処置ガイド: 持ち運びたい動物用救急セット!

「災害時のSOS」愛犬の<ケガ・体調不良>への応急処置ガイド: 持ち運びたい動物用救急セット! 室内犬の飼い方
「災害時のSOS」愛犬の<ケガ・体調不良>への応急処置ガイド: 持ち運びたい動物用救急セット!
飼い主さん

災害で動物病院が閉鎖していたら?

「災害時のSOS」愛犬の<ケガ・体調不良>への応急処置ガイド: 持ち運びたい動物用救急セット!
飼い主さん

パニックで愛犬がケガをしたとき、
どう対応すればいい?

大規模災害が発生すると、インフラの停止により動物病院が機能停止に陥り、獣医師による診察が受けられなくなる状況が想定されます。
そのため、飼い主さん自身が、愛犬の命に関わるケガや急な体調不良に対して、初期の応急処置を施せる準備が極めて重要になります。

この記事では、まず災害時に特に起こりやすい愛犬の「ケガと体調不良」のパターンを解説します。
次に、避難バッグに必ず入れておきたい「動物用救急セット」の中身をリストアップします。
そして最後に、止血、骨折、熱中症といった緊急事態に対する家庭でできる応急処置の具体的な手順と、心のケアについて徹底解説します。

災害時に起こりやすい「3つのリスク」

混乱した状況下では、愛犬は普段とは異なる危険にさらされます。

ガラスや瓦礫による「外傷」

  • リスク: 避難経路や避難場所の瓦礫、ガラスの破片などにより、足の裏(肉球)や体表に深い切り傷を負いやすい。
  • 対応の必要性: 出血や感染の初期対応が必要。

環境変化による「体調不良」

  • リスク: ストレスによる下痢・嘔吐、水や食事の変化による消化器系の不調、または寒暖差による低体温症
  • 対応の必要性: 症状の悪化を防ぎ、脱水や栄養不足を避けるケアが必要。

パニックによる「熱中症」

  • リスク: クレート管理や車中待機などで風通しが悪くなったり、興奮状態が続いたりすることで、短時間で熱中症になるリスクが高まる。
  • 対応の必要性: 迅速な体温冷却処置が命に関わる。

防災バッグに必ず入れる「動物用救急セット」

人間用とは別に、愛犬専用の救急セットを防水性のポーチにまとめて準備しましょう。

必須アイテム目的と使い方
1. 止血・消毒カットバン、滅菌ガーゼ、包帯テーピング(自着性包帯)ポビドンヨード液(消毒液)、生理食塩水(傷を洗うため)。
2. 体温・症状測定体温計(肛門用)、懐中電灯(暗所での状態確認や傷口のチェック)。
3. 投与器具シリンジ(水や薬を与える用)、ピンセット(トゲや異物除去用)、ハサミ(毛を切る、包帯を切る用)。
4. 薬かかりつけ医から処方された常備薬(下痢止め、抗生物質など。要相談)、飲み慣れた整腸剤
5. マズルパニックや痛みで攻撃的になった場合の咬傷事故防止。クレート以外での管理が必要になった場合にも。
6. 連絡先メモかかりつけ病院他の動物病院の連絡先、愛犬の投薬履歴持病をまとめたメモ。

緊急事態! 命に関わる応急処置の、具体的な手順!

動物病院にすぐ行けない状況下で、愛犬の命を守るための初期対応です。

大量出血時の「止血」

  1. 清潔なガーゼや布で傷口を直接、強く圧迫する(直接圧迫止血法)。
  2. 数分間圧迫しても止まらない場合は、上からさらにガーゼを重ねて圧迫を続ける。
  3. 絶対に傷口からガーゼを剥がさない。(剥がすと固まりかけた血栓が再び剥がれて出血が再開するため)。

骨折・関節脱臼が疑われる場合

  • 症状: 足を地面につけられない、変な方向に曲がっている、触ると痛がって鳴く。
  • 処置: 絶対に患部を引っ張ったり、動かしたりしない。愛犬を落ち着かせ、タオルや新聞紙を巻いた板などで患部を挟み、動かないように固定する(添え木)。クレートに入れて安静を保ち、専門家の処置を待つ。

熱中症が疑われる場合(パンティングが止まらない)

  1. 冷却: すぐに涼しい場所(日陰、風通しの良い場所)へ移動させる。
  2. 体表冷却: 水や濡れタオルで、首の付け根、脇の下、股の付け根といった太い血管が通っている場所を重点的に冷やす。
  3. 飲水: 意識があれば、冷たい水を少量ずつ飲ませる。
  4. 体温測定: 体温が39.5℃以下になるまで冷却を続ける。冷やしすぎも危険なので注意。

パニックとストレスの「心理的ケア」

災害時の愛犬のストレスは、体調不良や問題行動(脱走、噛みつき)の原因になります。

安心感の確保

  • クレートに匂い: 愛犬の匂いがついたタオルをクレートに入れる。
  • 接触: 飼い主様自身が不安でも、愛犬には普段通りの落ち着いたトーンで優しく声をかけ、体に触れて安心感を与える。

無理をさせない

  • 散歩: 慣れない環境での散歩は脱走リスクがあるため、排泄目的の短時間にとどめる。
  • 食事: ストレスで食欲が落ちることもあるため、無理に食べさせず、少しでも口にできるもの(水分多めのフードなど)を与える。

まとめ — いざという時に役立つ “最初の一手”

犬の状態チェックする飼い主
鉄則目的と効果飼い主がすべき具体的な行動
1. 救急セットの準備病院が機能しない状況で、初期の治療を可能にする。止血用品、消毒液、体温計、常備薬を防災バッグにまとめる。
2. 命に関わる応急処置大量出血熱中症など、緊急度の高い症状に迅速に対応する。圧迫止血体表冷却の方法を事前にシミュレーションしておく。
3. パニックの予防脱走・負傷・体調不良の原因となるストレスを軽減する。マズル、クレート、匂いのついたタオルを常備し、愛犬の安心感を守る。

愛犬の命を守る最後の砦は、飼い主さんの冷静な判断と事前の準備です。防災グッズの準備と合わせて、応急処置の知識も身につけておきましょうね。