「緊急時の知識」わんちゃんの血液型は、人間とどう違う?<DEA式>の基礎知識と、輸血前に知っておきたいこと!

「緊急時の知識」わんちゃんの血液型は、人間とどう違う?<DEA式>の基礎知識と、輸血前に知っておきたいこと! 豆知識
「緊急時の知識」わんちゃんの血液型は、人間とどう違う?<DEA式>の基礎知識と、輸血前に知っておきたいこと!
飼い主さん

わんちゃんにも血液型があるの?

「緊急時の知識」わんちゃんの血液型は、人間とどう違う?<DEA式>の基礎知識と、輸血前に知っておきたいこと!
飼い主さん

うちの子が輸血が必要になったら、
どうすればいい?

愛犬が手術や大怪我で大量に出血した場合、輸血は命を救う重要な治療法となります。
しかし、わんちゃんの血液型は人間とは仕組みが全く異なり、その知識がないと輸血時に命に関わる危険な副作用(輸血副作用)を引き起こす可能性があります。
特に、わんちゃんの場合、初めての輸血でも拒絶反応が起こる可能性があるため、飼い主さんがその基本を理解しておくことが非常に重要です。

この記事では、まず人間とは異なるわんちゃんの「DEA式血液型分類」の基礎を解説します。
次に、わんちゃんの血液型の中で最も重要とされる「DEA 1.1型」について深掘りし、輸血時になぜ危険な副作用が起こるのか、そして飼い主としてどのような情報を獣医師に提供すべきかを解説します。

わんちゃんの血液型「DEA式」とは?

わんちゃんの血液型は「ABO式」の人間とは異なり、DEA式(Dog Erythrocyte Antigen: 犬赤血球抗原)という分類が使われます。

わんちゃんの血液型は「13種類以上」存在する

  • 人間(ABO式):赤血球の表面にある抗原(A、B)の有無でA型、B型、O型、AB型に分けられます。抗原を持たない人に輸血すると、元から持っている抗体で拒絶反応(凝集反応)が起こります。
  • わんちゃん(DEA式):現在までにDEA1.1、1.2、3、4、5、7など、国際的に13種類以上の抗原が発見されています。わんちゃんは、これらの抗原の組み合わせで血液型が決まります。

わんちゃんが拒絶反応を起こす、メカニズムの違い

人間は生まれつき、自分にない抗原に対する抗体を持っていますが、わんちゃんの多くは抗体を生まれつき持っていません。

  • わんちゃんの輸血の特殊性:
    1. 初回の輸血: 初めて輸血を受けても、ほとんどのわんちゃんは、すぐに重い副作用を起こしません。
    2. 2回目の輸血の危険性: 1回目の輸血で、わんちゃんの体内に新しい抗体(抗DEA抗体)が作られます。その結果、2回目以降の輸血で同じ抗原を持つ血液を入れられた場合、激しい拒絶反応(輸血副作用)を起こし、命に関わる可能性が高まります。

最も重要な血液型「DEA 1.1型」の知識!

わんちゃんの血液型の中で、輸血時の反応に最も強く関わり、最も臨床的に重要視されているのが「DEA 1.1型」です。

DEA 1.1陽性(+)と陰性(−)

  • DEA 1.1陽性(+): この抗原を持っているわんちゃん。約40〜60%のわんちゃんが陽性と言われています。
  • DEA 1.1陰性(−): この抗原を持っていないわんちゃん。

なぜ「陰性(−)」がドナーに選ばれるのか

DEA 1.1の抗原は、輸血時に最も強い拒絶反応を引き起こすことが知られています。

  • 最適ドナー: 輸血用血液の備蓄がない場合や緊急時には、DEA 1.1陰性(−)のわんちゃんの血液が選ばれます。なぜなら、この血液は他のほとんどのわんちゃんに輸血しても、拒絶反応を起こすリスクが極めて低い(万能供血犬に近い)からです。
  • 陽性(+)のわんちゃんへの輸血: DEA 1.1陽性のわんちゃんに輸血する場合は、同じDEA 1.1陽性の血液が推奨されます。

💡 知っておこう: 緊急性が高い場合、特に初めての輸血では、DEA 1.1陰性(−)の血液が輸血されることが一般的です。しかし、2回目の輸血からは、必ず血液型の検査(クロスマッチテスト)が必要になります。

飼い主が知っておくべき、緊急時の行動!

愛犬が緊急に輸血が必要になった場合、飼い主の行動と情報提供が迅速な治療につながります。

かかりつけ医への情報提供

  • 輸血歴の有無: 過去に輸血を受けたことがあるか否かを必ず伝えてください。輸血歴がある場合、2回目以降の輸血は厳重な注意(クロスマッチテスト)が必要です。
  • 持病・アレルギー: 輸血副作用と似た症状が出る可能性があるため、愛犬の持病やアレルギー歴を正確に伝えます。

血液型検査とクロスマッチテスト

緊急時でも、獣医師は以下の検査を行います。

  • 血液型検査: 愛犬のDEA 1.1型を調べます。
  • クロスマッチテスト: 輸血を受けるわんちゃんと、ドナーの血液を少量混ぜて、実際に凝集反応が起きないかを確認する最終検査。特に2回目以降の輸血では必須の検査です。

輸血副作用の初期サイン

輸血中や輸血直後に、以下のサインが見られたら、すぐに獣医師に伝えてください。

  • 急な発熱、嘔吐
  • 顔面や耳の赤み、腫れ(じんましん)
  • 呼吸の乱れ、ショック症状

 大量出血時の初期対応とNG行動については、
👉 「出血が止まらない」犬の切り傷・咬み傷の応急処置 — 正しい止血と“消毒NG”の理由!
をご覧ください。

まとめ — 緊急時に慌てないために

犬の血液型検査を受ける犬
重要知識目的と効果飼い主がすべき具体的な行動
1. DEA式分類わんちゃんの血液型は人間とは異なり、13種類以上ある。獣医師との会話で「DEA 1.1型」という言葉を聞いたら、輸血に関わる最重要項目だと認識する。
2. 2回目の輸血リスク1回目の輸血で抗体ができ、2回目以降は重い副作用が起こりやすい。過去の輸血歴を正確に把握し、緊急時に獣医師に必ず伝える。
3. 検査の必要性輸血前に血液型の適合性を確認し、命を守る。獣医師が提案する血液型検査クロスマッチテストの必要性を理解し、同意する。

わんちゃんの血液型に関する知識は、備えあれば憂いなしの重要な豆知識です。愛犬の命を守るため、ぜひ知っておきましょうね。