
飼い主さん
うちの子、最近お腹周りがたるんできたかも…

飼い主さん
食事量を減らしても痩せないのはなぜ?
愛犬の肥満は、単に見た目の問題だけでなく、関節炎、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患など、様々な病気のリスクを高め、寿命を縮める深刻な問題です。
しかし、毛に覆われているわんちゃんの場合、体重の数値だけでは肥満度を正確に把握できません。獣医師が診断に使うのが「BCS(ボディコンディションスコア)」という体型評価法です。
これは、愛犬の体に触れ、目で見るだけでできる、最も客観的な肥満度チェック方法です。
この記事では、まずBCS(9段階評価)の具体的な見方と触り方を徹底解説します。
次に、肥満が引き起こす隠れた病気リスクを解説し、愛犬を無理なく健康的な体型に戻すための「ダイエットの基本原則」を解説します。
獣医師が使う「BCS(9段階評価)」の基礎!
BCS(Body Condition Score)は、愛犬の体に脂肪がどれだけ付いているかを客観的に評価する指標で、1(痩せすぎ)から9(肥満)までの9段階で評価します。理想的なスコアは「4〜5」です。
3つのチェックポイント(目視と触診)
| チェック部位 | 理想体型(BCS 4〜5)の特徴 | 肥満(BCS 8〜9)の特徴 |
| 1. 肋骨(あばら骨) | 薄い脂肪の下に簡単に触れる。皮膚を軽く押すと骨を感じる。 | 脂肪の層が厚く、強く押しても肋骨がほとんど触れない。 |
| 2. 腰のくびれ | 真上から見て、肋骨の後ろ(腰)に砂時計のような適度なくびれがある。 | くびれがなく、体全体が樽のように丸い。背中が平坦に見える。 |
| 3. 腹部のたるみ | 横から見て、お腹がたるまず、引き締まっている(タックアップしている)。 | お腹が垂れ下がっている。脇腹や股の付け根に余分な脂肪の塊が見られる。 |
BCS 6以上は要注意!
- BCS 6(過体重): 肋骨に触るのに少し強めの圧が必要。腰のくびれがわずかに見える程度。
- BCS 7(軽度肥満): 肋骨を触るのが難しく、腰のくびれがほとんど見えない。
- BCS 8〜9(高度肥満): 肋骨が触れず、腰やお腹周りが脂肪の塊で丸くなっている。
肥満が引き起こす、隠れた病気リスク!
肥満は万病の元です。特に室内犬は運動不足になりがちで、以下の病気のリスクが高まります。
- 関節疾患の悪化: 体重が増えることで、股関節炎や膝蓋骨脱臼(パテラ)のわんちゃんは、関節への負担が劇的に増し、痛みが強くなります。
- 糖尿病: 脂肪が増えるとインスリンの効きが悪くなり(インスリン抵抗性)、糖尿病の発症リスクが高まります。
- 呼吸器・心臓病: 首周りや胸部に脂肪がつくことで呼吸が圧迫され、呼吸器疾患(気管虚脱など)の症状が悪化したり、心臓に負担がかかったりします。
- 皮膚病: 脂肪の間に湿気が溜まりやすくなり、皮膚炎や感染症が悪化しやすくなります。
愛犬のための「安全なダイエット」3原則!
健康的なダイエットは「急激な減量」ではなく、「継続的な体質改善」が鍵です。
摂取カロリーの見直し(獣医師に相談)
- 自己判断での減量NG: 健康な減量には、獣医師による「目標体重とそれに必要な適切なカロリー量」の算出が必要です。
- ダイエットフード: カロリーが低く、食物繊維を多く含む「体重管理用(ダイエット用)」の療法食への切り替えが最も効果的です。
おやつは「ゼロ」か「低カロリー」に
- おやつの見直し: おやつが一日の総カロリーの10%を超えないように厳しく制限します。
- 代替品: ゆでたキャベツやニンジン(低カロリー)、またはダイエット用のビスケットなど、獣医師が推奨するおやつに切り替えましょう。
運動量の調整と増加
- 無理のない運動: 肥満犬はいきなり激しい運動をすると関節を痛めるリスクがあります。最初は散歩の時間や回数を増やし、ゆっくりと時間をかけて運動量を増やしましょう。
- 室内遊び: 知育玩具を使ったフード探しや、短い「持ってこい」遊びなど、室内でもできる活動を取り入れ、代謝を高めます。
ダイエットを成功させるための、継続のコツ!
- 家族全員で共有: 家族の誰か一人が内緒でおやつを与えてしまうと、ダイエットは成功しません。家族全員でダイエットの目標とルールを共有しましょう。
- 記録をつける: 体重を毎週同じ時間に測り、食事量、おやつ、運動内容を記録します。停滞期も記録することで、モチベーションを維持できます。
- 食事を小分けにする: 一度に大量に与えるのではなく、一日の規定量を2〜3回に分けて与えることで、空腹感を和らげることができます。
まとめ — 体型チェックと日々のケアで“健やかな毎日”を

| 健康管理原則 | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. BCSで触ってチェック | 視覚だけでなく触診で、正確な体脂肪率を把握する。 | 毎月、肋骨、くびれ、お腹周りを触り、BCS 4〜5を維持できているか確認する。 |
| 2. 獣医師と相談 | 自己流ダイエットによる健康被害を防ぐ。 | 目標体重と必要なカロリー量を獣医師に算定してもらい、適切なダイエットフードを選ぶ。 |
| 3. おやつを制限 | 不必要なカロリーの摂取源を断つ。 | おやつは一日のカロリーの10%未満とし、低カロリーな野菜などに切り替える。 |
愛犬のBCSを定期的にチェックし、健康的な体型を維持することで、愛犬の寿命と幸福度を高めてあげましょうね。


