
わ〜、痛い!また噛まれた!
子犬の歯は小さくて鋭利なため、遊んでいるうちに手や足を甘噛みされて、思わず声を上げてしまうことはありませんか?
子犬が噛むのは、病気でもなければ、意地悪でもありません。
彼らにとっては、遊びであり、コミュニケーションであり、そして世界を探求するための本能的な行動なのです。
しかし、そのまま放置すると、成犬になっても「噛み癖」として残ってしまう可能性があります。
この時期に「人には強く噛んではいけない」というルールを教え込むことが、愛犬との幸せな生活を送るための最高のスタートになります。
この記事では、子犬が甘噛みをする理由を理解し、最高の効果を発揮する「3つの黄金ルール」と具体的なシチュエーション別の対処法をご紹介します。
まず知っておきたい「なぜ子犬は噛むのか?」
子犬が噛む行動の裏には、主に3つの理由があります。理由を知ることで、効果的な対策を打つことができます。
世界を探求するための「本能」
私たち人間が手で物を触って理解するように、わんちゃんは口を使って目の前のものを理解します。
子犬は好奇心旺盛なので、新しいおもちゃ、家具、そして飼い主さんの手や足など、目についたものをすべて口に入れて「これは何だろう?」と探求しているのです。
歯のムズムズ(歯の生え変わり)
生後3ヶ月〜6ヶ月頃は、乳歯から永久歯に生え変わる時期です。
歯茎がムズムズして不快なため、何かを噛んで解消しようとします。
この時期は特に「噛みたい」という欲求が高まるため、噛んでもいいものを多めに用意してあげることが大切です。
遊びとコミュニケーション
子犬同士の遊びでは、噛み合うことで「噛む力加減」を学んでいきます。
しかし、人間にそれをやってしまうと危険です。
興奮して遊んでいる時や、「もっと構って!」という要求がある時にも、甘噛みが増える傾向があります。
甘噛み対策の「3つの黄金ルール」
子犬に「人には噛んではいけない」というルールを教えるためには、この3つのルールを一貫して実行することが不可欠です。
黄金ルール①:「痛い!」で一瞬中断する
子犬同士が遊びで強く噛みすぎた時、噛まれた方が「キャイーン!」と声を上げて遊びを中断します。飼い主さんはこれを再現します。
- アクション: 子犬に噛まれたら、一瞬だけ、低すぎず高すぎない声で「痛い!」または「キャン!」と短く声を出す。
- ポイント: 大声で怒鳴るのはNGです。子犬を興奮させたり、怖がらせたりするだけです。あくまで「噛まれたから痛かった」ということを伝えるための声であることを意識してください。
黄金ルール②:すぐに「タイムアウト」を徹底する
これが最も重要なステップです。「噛むと、楽しいことが一瞬で終わる」と子犬に学習させます。
- アクション: 「痛い!」と声を上げた直後、子犬を完全に無視し、手を引っ込めます。
- 次の行動: 5秒〜10秒間子犬から離れ、背を向けます(可能ならサークルから出るか、子犬をクレートに戻す)。
- ポイント: 「遊んでくれない!」という状態が子犬にとっては最大の罰です。10秒後に戻って静かにしていたら、また遊びを再開してください。
このサイクルを繰り返すことで、噛む=楽しい時間の終わりというルールを学習します。
黄金ルール③:「噛んでもいいもの」にすり替える
子犬の「噛みたい」という本能的な欲求を満たしてあげられる代わりのターゲットを用意します。
- アクション: 子犬が手や足を噛みそうになったら、すぐに噛んでもいいおもちゃ(硬めのゴム製おもちゃ、知育玩具、デンタルボーンなど)を口元に差し出し、それに意識を向けさせます。
- ポイント: 代わりのものを噛み始めたら、大げさに褒めてあげてください。
「このおもちゃを噛むのは正解だ!」と強く意識づけられます。
シチュエーション別!効果的な対処法!
甘噛みは状況によって原因が異なります。
シチュエーションに応じた対応で、より早く行動を改善させましょう。
興奮して手足を激しく噛んでくる時
子犬の噛みつきがエスカレートするのは、遊びがヒートアップしすぎているサインです。
- 対処法:
- すぐに遊びを中断(タイムアウト)し、クールダウンさせます。
- 「フセ」や「オスワリ」などの落ち着く指示を出して、子犬の気持ちを鎮めるトレーニングも有効です。
- 遊びは短時間で区切りをつけ、「物足りない」と感じるくらいでやめてあげましょう。
- すぐに遊びを中断(タイムアウト)し、クールダウンさせます。
ズボンや靴下など布製品を噛んで離さない時
靴下やズボンの裾、スリッパなどを噛むのは、獲物に見立てた本能的な行動です。
- 対処法:
- 布を引っ張りっこするのは、子犬の興奮を煽るためNGです。
- 噛んでいるものとは別の、もっと魅力的なおもちゃ(硬めのガムなど)を口元に差し出し、交換させる。
- 噛んでいる時に「離せ」と指示し、離した瞬間にすぐに褒め、おやつで交換する練習を繰り返します。
- 布を引っ張りっこするのは、子犬の興奮を煽るためNGです。
要求がある時に甘噛みで訴えてくる時
「おやつが欲しい」「散歩に行きたい」などの要求を甘噛みで伝えてくることがあります。
- 対処法:要求には絶対に答えないことが鉄則です。
- 噛んできたら、すぐにタイムアウト(無視)し、静かになるまで要求は聞き入れません。
- 子犬が静かに座っている時や伏せている時にだけ、「いい子だね」と声をかけたり、おやつを与えたりすることで、「静かに待てば良いことがある」と教えましょう。
- 噛んできたら、すぐにタイムアウト(無視)し、静かになるまで要求は聞き入れません。
まとめ:甘噛みは「教えるチャンス」に変えよう!

| 項目 | 愛犬の行動と心理 | 飼い主ができる最善の対策 |
| 原因の理解 | 本能、歯の生え変わり、遊びの誘い。 | 「噛みたい欲求」は満たしてあげることを前提に対策を立てる。 |
| 黄金ルール | 噛む=損(楽しいことが終わる)を学習させる。 | 噛まれたら「痛い!」→即座にタイムアウト(無視)を徹底する。 |
| 代替案の提供 | 噛んでもいいターゲットを与える。 | 手や足を噛みそうになったら、安全なおもちゃにすり替える。 |
甘噛みは、子犬が世界を学んでいる証拠であり、「噛む力加減を教える」最高のチャンスでもあります。
根気強く、そして家族全員が一貫したルールで対応すれば、必ず「噛み癖」は卒業できます。
愛犬との信頼関係を築きながら、この大切な時期を乗り越えましょう!
我が愛犬も遊びで興奮してくると、未だに甘噛みします。
「アッ」と言うとすぐにやめますが、今は興奮してきたら遊びを中断するようにしています。


