【わんちゃんにもある!】愛犬が「利き手・利き足」を持っているか簡単に調べる方法!

豆知識
<strong><span class="fz-16px">飼い主さん</span></strong>
飼い主さん

うちの子、いつも左足でボールを転がすけど、
わんちゃんにも利き手(利き足)ってあるの?

<strong><span class="fz-16px">飼い主さん</span></strong>
飼い主さん

利き手を知ることで、愛犬の性格や訓練に役立つって本当?

私たち人間と同様に、わんちゃんにも「利き手」(厳密には「利き前足」または「利き足」)があることが、近年の動物行動学の研究で明らかになっています。

これは、特定の作業を行う際に、意識的あるいは無意識的に、左右どちらかの前足をより頻繁に使う傾向のことです。

この利き足の有無や左右差は、愛犬の性格、感情の処理、そして訓練の受け入れやすさにまで影響を与えている可能性が指摘されています。

例えば、左右どちらの足も同じように使う「両利き」のわんちゃんは、特定の状況下でより不安やストレスを感じやすい傾向があるという研究結果もあります。

この記事では、まずわんちゃんの利き足の科学的な背景を解説します。

次に、愛犬がどちらの足を使いたがっているのかを、ご家庭で簡単に、かつ正確に調べられる「3つのテスト」を具体的に紹介します。

このシンプルなテストを通じて、愛犬の隠れた個性や心理状態を深く理解するヒントを得ましょう。

わんちゃんの「利き足」は脳の働きを示す!

わんちゃんの利き足は、彼らの脳の半球優位性(左右どちらの脳が優位に働いているか)を
示唆しています。
これは人間と同じメカニズムです。

脳と利き足の関係

  • 左足を使う(右脳優位): 左足を使うわんちゃんは、右脳が優位に働いていることを示唆します。右脳は一般的に、感情、直感、空間認識といった情動的な処理に深く関わっています。
  • 右足を使う(左脳優位): 右足を使うわんちゃんは、左脳が優位に働いていることを示唆します。左脳は一般的に、論理、言語、分析といった理性的な処理に関わっています。
  • どちらも使う(両利き): どちらの足も同じ頻度で使うわんちゃんは、左右の脳の働きに大きな偏りがないことを示します。

利き足と性格の関連性(行動学の知見)

特定の研究では、利き足とストレス耐性の間に以下のような関連が見られています。

  • 利き足があるわんちゃん(右利き・左利き): 特定の足を使うことで、脳内で感情や認知の処理が一貫しているため、比較的ストレスに対する耐性が高い傾向がある。
  • 両利きのわんちゃん: 左右どちらの脳も同じように使わなければならないため、特定の状況下で判断に迷いが生じやすく、その結果、雷や大きな音などのストレスを感じやすい傾向がある。

ご家庭で簡単にできる「3つの利き足テスト」

愛犬の利き足は、特定の行動を合計で50回以上観察し、どちらの足を使った回数が多かったかを統計的に判断することで調べられます。

【テスト1】最初の一歩テスト(歩行の優位性)

  • 目的: 静止状態から動き出す際、どちらの足に体重をかけ、最初の一歩を踏み出すかを観察する。
  • 方法:
    1. 愛犬を「待て」の指示で完全に静止させます。
    2. 少し離れた場所から、優しく「おいで」と呼びます。
    3. 愛犬が静止状態から動き出す際、最初に踏み出した前足を記録します。
  • 記録回数: 最低20回以上。

【テスト2】コング・チャレンジ(物を扱う優位性)

  • 目的: 嗅覚と知恵を使って、道具(おやつ入りコングなど)を扱う際に、どちらの足を使うかを観察する。
  • 方法:
    1. 中におやつが入ったコング(または知育玩具)を、愛犬が両前足で届く距離に置きます。
    2. 愛犬がおやつを取り出すために、コングを固定したり転がしたりするために使用した前足を記録します。
    3. コングを地面に置く位置や向きを変えながらテストを繰り返します。
  • 記録回数: 最低20回以上。

【テスト3】バンザイテスト(体勢の維持)

  • 目的: 不安定な体勢から立ち直る際、どちらの足で最初にバランスを取ろうとするかを観察する。
  • 方法:
    1. 愛犬を「お座り」の姿勢にさせます。
    2. 愛犬の真横から、片方の手で軽く体を支え、少しだけバランスを崩す方向に傾けます。
    3. 愛犬が傾きを修正するために、地面に最初に踏み出し、体を支えた前足を記録します。
  • 記録回数: 10回以上(左右を交互に傾ける)。

「利き足」の判断方法!

記録した合計回数から、愛犬の利き足を判断します。

統計的な判断基準

合計50回以上の試行回数で、以下の比率で判断します。

  • 利き足あり(右利きまたは左利き): 特定の足の使用回数が、全体の65%以上を占める場合。
    • 例:合計50回中、右足が33回(66%)以上 → 右利き
  • 両利き(アンビデクストラス): 左右の足の使用回数が、全体の60%以下に収まる場合。
    • 例:右足27回(54%)、左足23回(46%)→ 両利き

利き足の知識を、訓練に活かすコツ!

愛犬の利き足を知ることは、訓練をより効果的に進めるヒントになります。

訓練で使う道具の配置

  • 例:ベルを鳴らす訓練
    • 右利きのわんちゃんには、ベルを体の右側に置くと、自然に利き足で操作しやすくなります。
    • 利き足を使うことで、愛犬はより早く、自信を持って作業を成功させやすくなります。

体のケアとマッサージ

  • 例:シニア犬のケア
    • 常に利き足に頼って体重を支えている場合、利き足側の関節や筋肉に負担が集中している可能性があります。
    • 定期的なマッサージやストレッチを行う際、利き足側と反対側の足の状態を特に注意深くチェックしてあげましょう。

両利きのわんちゃんへの配慮

  • ストレス耐性への配慮: 両利きのわんちゃんは、新しい環境や大きな音に対し、より繊細に反応する傾向があるかもしれません。
  • 安心できる環境: 訓練や新しいことを始める際は、愛犬が安心できる場所(クレートなど)を確保し、不安を軽減する配慮が必要です。

まとめ:愛犬の個性を深く理解する!

利き足のタイプ脳の優位性性格・行動傾向(知見)
左利き右脳優位(感情、直感)ストレスへの耐性が比較的高い。
右利き左脳優位(論理、分析)ストレスへの耐性が比較的高い。
両利き左右差が少ないストレスや不安を感じやすい傾向がある。

愛犬の利き足を知ることは、彼らの個性や内面を理解する楽しい一歩です。

この3つの簡単なテストを通じて、愛犬の隠された才能や、普段感じているストレスの傾向を
読み解き、訓練や日々の生活に活かしていきましょうね。