【散歩中の悲劇】わんちゃんの肉球に、ガラスやトゲが刺さった! 無理なく抜く方法とNG行動!

病気・けが
<strong><span class="fz-16px">飼い主さん</span></strong>
飼い主さん

散歩から帰ってきたら、
愛犬が急に足を上げて痛がっている…

<strong><span class="fz-16px">飼い主さん</span></strong>
飼い主さん

肉球に何か黒いものが刺さっているけど、
自分で抜いても大丈夫?

愛犬の肉球は、地面と直接触れる体の唯一の部分であり、常に様々な危険にさらされています。

散歩中に小さなガラス片、鋭いトゲ、金属の破片などが刺さってしまう事故は珍しくありません。

肉球は血管や神経が豊富で非常に敏感な場所です。

異物が刺さった状態で無理に動かしたり、誤った方法で抜こうとしたりすると、激しい痛みを与えるだけでなく、異物をさらに深部に押し込んでしまったり、大量出血や感染症を引き起こしたりする重大なリスクがあります。

この記事では、まず愛犬が負傷した際の「パニックにならないための準備」を解説します。

次に、トゲのように自己処理が可能な異物と、ガラスのように、自己処理が極めて危険な異物の
見分け方
と、それぞれの正しい対処法を徹底解説します。

そして最後に愛犬の安全を守るために病院へ連れて行くべき明確な判断基準をお伝えします。

愛犬を落ち着かせ、傷をチェックする準備!

愛犬が足を痛がっているのを見ると、飼い主さんも慌ててしまいがちですが、冷静な行動が最優先です。

安全な場所で落ち着かせる(保定の重要性)

  • 避難: まずは静かで清潔な場所に移動させ、愛犬が興奮して暴れないように優しく抱きかかえるか、膝の上に乗せるなどして保定します。
  • 噛みつき防止: 痛みで普段温厚なわんちゃんでも反射的に噛みついてくる可能性があります。優しく声をかけながら、愛犬の顔をよく見て、必要であれば口輪(マズル)やタオルなどで口元をガードすることも検討します。

患部の確認と洗浄

  • 観察: 刺さっている場所を特定します。毛が邪魔で見えにくい場合は、バリカンなどで周辺の毛を優しく刈るか、清潔なハサミで切って傷口を確認しやすくします。
  • 洗浄: 傷口の周りを清潔な流水(水道水)で優しく洗い流し、表面の汚れや細菌を洗い流します。

異物の種類別「安全な抜き方」と、危険なNG行為!

異物の種類や深さによって、自己処理の可否が変わります。
無理は絶対に禁物です。

【自己処理可能】トゲや小さな木片(浅いもの)

  • 道具の準備: 清潔なピンセット(毛抜き)と、消毒した針、そしてルーペを用意します。
    ピンセットはアルコールなどで先端を消毒しておきます。
  • 抜き方:
    1. 異物の先端が皮膚から出ていることを確認します。
    2. ピンセットで異物を根元近くでしっかりと掴みます。
    3. 異物が刺さっている方向と「平行」になるように、ゆっくりとまっすぐ引き抜きます。
      垂直に引っ張ると、途中で折れたり、異物を残してしまったりするリスクがあります。
  • 注意点: 異物が途中で折れてしまい、一部が皮膚の中に残った場合は、すぐに中止し、動物病院へ向かいます。

【自己処理危険】ガラス、金属片、深い異物

  • 絶対NG: 愛犬の肉球の奥深くに異物が見える場合や、ガラス片などの鋭利な異物が刺さっている場合は、絶対に自分で抜こうとしないでください。
  • 危険性:
    • 血管・神経損傷: 抜く際に血管や神経を傷つけ、大量出血や麻痺を引き起こすリスクがあります。
    • 異物を深部に押し込む: 力を加えることで異物がさらに深く、骨や腱の近くまで移動してしまう可能性があります。

処置後の感染症予防と「NG行動」

異物を除去した後、最も注意すべきは傷口からの感染症です。

傷口の保護と冷却

  • 再洗浄: 異物を抜いた後、傷口を再び清潔な水道水で洗い流します。
  • 保護: 清潔なガーゼで傷口を覆い、包帯や伸縮性のあるテープで動かないように優しく固定します。強く締め付けすぎないよう注意しましょう。
  • 冷却(応急処置): 患部が熱を持っている場合は、清潔なタオルに包んだ保冷剤などで短時間(数分程度)優しく冷やし、炎症を抑えます。

絶対にやってはいけない NG行動

  • NG1:人間の消毒液を使用する: アルコール系や刺激の強い消毒液は、傷の治りを遅らせたり、健康な細胞を破壊したりするリスクがあるため、獣医師の指示なく使用しない方が安全です。
  • NG2:傷口をテープで密閉する: 通気性が失われ、傷口内部で細菌が増殖しやすくなります。
  • NG3:抜くために傷口を深く切る: 傷を大きくし、感染リスクを高めるだけで、大変危険です。
  • NG4:すぐに散歩を再開する: 異物を抜いても、傷口が治るまでは安静が必要です。
    傷口が完全に塞がるまで、散歩は控えるか、ペットシューズなどで保護しましょう。

迷わず病院へ行くべき判断基準!

以下のいずれかのサインが見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
自己判断は避けましょう。

  • 出血が止まらない: 10分以上圧迫止血を続けても、出血が止まらない場合。
  • 異物が見えない: 異物が肉球の中に完全に埋まってしまい、ピンセットで掴めない場合。
  • 愛犬が強く痛がる: 患部を触るだけで激しく嫌がり、足を地面に着けようとしない場合。
  • 異物の種類: ガラス、金属片、針など、鋭利で破片が残りやすい異物が刺さった場合。
  • 数日後の変化: 異物を抜いた数日後、患部が熱を持って腫れ上がり、膿が出ている場合
    (感染症のサイン)。

まとめ:肉球の傷の「安全な処置と原則」

処置の原則緊急時の最優先事項病院へ行くべきサイン
1. 異物の確認清潔な場所で愛犬を落ち着かせ、傷口を洗浄する。ガラス・金属片など、
鋭利な異物が刺さった場合。
2. 除去の判断浅いトゲ以外は自己処理せず、すぐに病院へ。異物が肉球の中に完全に
埋まっている場合。
3. 感染症予防異物除去後は、清潔なガーゼで保護する。異物除去後、患部が腫れ、
熱を持つ場合(感染)。

愛犬の肉球の傷は、細菌感染のリスクが常に伴います。

ご家庭でできるのは「トゲを抜く」「洗浄する」「保護する」まで。

少しでも判断に迷いや不安がある場合は、迷わず専門家である獣医師の診断を仰ぎ、愛犬の健康と安全を守りましょうね。