【家の中に潜む危険】わんちゃんの火傷(やけど)のサインは?熱源からの予防と応急処置!

病気・けが
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飼い主さん

まさか家の中でやけどをするなんて…

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飼い主さん

やけどをしたみたいだけど、
どこまで病院に連れて行くべき?

夏の散歩中のアスファルトによる肉球やけどはよく知られていますが、実は愛犬のやけどの事故は、最も安全であるはずの「家の中」で多発しています。

好奇心旺盛な子犬や、動きが鈍くなりがちなシニア犬は、人間にとってはなんでもない日常的な熱源(ストーブ、熱い飲み物、コードなど)によって、重篤な火傷を負う危険に常にさらされています。

やけどは、その重症度によって愛犬の皮膚や組織に永久的なダメージを与え、感染症、ショック死、長期入院につながる可能性のある重大な事故です。

早期の適切な処置が、愛犬の苦痛を最小限に抑え、治癒を早める鍵となります。

この記事では、まず家庭内に潜む「3大危険な熱源」とその予防策を解説します。

次に、やけどの「重症度別サイン」を理解し「やってはいけないNG行動」を含めた、緊急時の正しい応急処置と病院へ向かう判断基準を徹底解説します。

家庭内に潜む「3大危険な熱源」と予防策!

室内犬のやけどは、飼い主さんの少しの油断から起こることがほとんどです。
これらの熱源から愛犬を守りましょう。

熱湯・熱い液体による「液状やけど」

  • 熱源の例: カップラーメンの熱湯、入れたてのコーヒーやお茶、料理中の鍋。
  • 事故の状況: テーブルの端に置かれた熱い液体が入ったマグカップを、愛犬がしっぽや鼻で倒してしまう。
  • 料理中の鍋を、愛犬が飛びついてひっくり返してしまう。
  • 予防策:
    • 手の届かない場所へ: 熱い液体は必ず愛犬の手が届かないカウンターや棚の上に置く。
    • キッチンの立ち入り制限: 料理中や食事中は、ベビーゲートなどでキッチンへの立ち入りを完全に制限する。

暖房器具や電化製品による「接触やけど」

  • 熱源の例: 電気ストーブ、ファンヒーターの送風口、アイロン、ホットカーペット。
  • 事故の状況: 稼働中のストーブに体を押し付けたり、熱いアイロンに鼻先を触れさせたりする。特に、低温やけどは気づきにくい危険です。
  • 予防策:
    • 安全柵の設置: ストーブなどの周囲には、愛犬が手を入れられない高さの安全柵を必ず設置する。
    • ホットカーペットの制限: ホットカーペットは電源を切らずに長時間使用すると、低温やけど(後述)の原因になります。
      使用時は、愛犬がいつでも離れられるように、低温設定にし、飼い主の目が届く範囲で
      短時間使用する。

電気コードや化学物質による「化学・感電やけど」

  • 熱源の例: 噛まれた充電コード、バッテリー、漂白剤などの強力な洗剤。
  • 事故の状況: 好奇心から通電中の電気コードを噛み、感電と共に口内をやけどする。漂白剤などの化学物質を舐めたり、皮膚に付着させたりする。
  • 予防策:
    • コード保護: すべての電気コードにはコードカバーをつけたり、家具で隠したりして、愛犬が噛めないようにする。
    • 薬品管理: 洗剤や化学物質は、愛犬が絶対に開けられない鍵付きの棚に保管する。

やけどの「重症度別サイン」を見極める!

やけどの症状は、熱源に触れていた時間や温度によって異なり、3つの段階に分けられます。
やけどの重症度を判断することは、すぐに病院へ向かうべきかを見極める重要な基準です。

軽度(I度熱傷):表皮の炎症

  • 症状: 触れた場所の皮膚が赤くなる、少し腫れる、触ると熱を持っている
  • 愛犬の様子: 患部を頻繁に舐めたり、触られるのを嫌がったりする。
  • 特徴: 毛は抜けず、皮膚の表面的な損傷で済むことが多い。

中度(II度熱傷):水ぶくれの形成

  • 症状: 皮膚に水ぶくれ(水疱)ができる、皮膚の表面がめくれる、深い赤色やピンク色に
    変色する。
  • 愛犬の様子: 痛みが強く、触ると激しく嫌がる。
  • 特徴: 治るまでに時間がかかり、適切な処置をしないと感染症を起こしやすい。

重度(III度熱傷):組織の壊死

  • 症状: 皮膚が白や黒、灰色に変色し、乾燥して硬くなっている
    毛が抜け落ち、皮膚の深層組織や神経まで損傷している。
  • 愛犬の様子: 痛みを感じていないように見えることがある(神経が壊死しているため)。
    ショック症状を起こす危険がある。
  • 最重要: 一刻も早く動物病院へ搬送が必要です。

低温やけどの危険性

  • 特徴: 40℃〜50℃程度の比較的低い熱源に、長時間接触することで起こるやけどです。
  • 熱源の例: ホットカーペット、電気毛布、湯たんぽ。
  • 症状: 軽度のやけどに見えても、皮膚の奥深くまで損傷が及んでいることがあり、気づいた時には重症化していることが多いです。

愛犬のための「緊急応急処置」とNG行動!

やけどに気づいたとき、最優先すべきは「冷却」です。

【最優先】流水による冷却を10〜20分

  • 目的: 傷の熱を奪い、深部への損傷を防ぐ(熱変性の停止)。
  • 方法: やけどを負った部分を、清潔な水道水などの流水(冷水〜ぬるま湯)で、10分から20分間にわたって冷やし続けます。
  • 注意点: 冷やしすぎると血行不良の原因となるため、氷や氷水は絶対に使用しないでください。

やってはいけない「NG行動」

  • NG1:水ぶくれを破る: 破ると感染のリスクが大幅に高まります。
    そのままの状態で病院へ連れて行きましょう。
  • NG2:自己判断で塗り薬を塗る: 人間用の軟膏や薬は、わんちゃんが舐めることによる中毒や、治療の妨げになる可能性があります。塗らずに清潔なガーゼで覆います。
  • NG3:強くこすったり触ったりする: 傷口を刺激し、痛みを増強させ、感染の原因になります。

清潔に保護し、病院へ向かう

  • 冷却後、清潔なガーゼやタオルで優しく水分を拭き取り、傷口を覆って保護します。
  • 軽度(I度)に見えても、水ぶくれや皮膚のめくれがあれば、必ず動物病院を受診してください。特に顔や口内のやけど、広範囲に及ぶ場合は、一刻を争います。
  • 事前に病院へ連絡し、「やけどの状況(熱源、損傷部位)」「応急処置の内容」を伝えてから
    向かいましょう。

まとめ:やけど予防と処置の「3つの心得」

心得目的と確認事項緊急時の対応
1. 環境予防家庭内の熱源(ストーブ、
マグカップ、コード)を
排除する。
ストーブには安全柵、熱いものは手の届かない場所へ。
2. 症状の判断やけどの重症度(I度〜III度)を見極める。水ぶくれや皮膚の変色があれば、すぐに病院へ。
3. 迅速な冷却傷の熱変性を止め、痛みを最小限にする。清潔な流水で10〜20分間冷やす。氷は使わない。

愛犬のやけどは、飼い主さんの注意で防げる事故です。

この記事を参考に、家庭内のリスクを徹底的に見直し、万が一の際には冷静かつ迅速に正しい応急処置を施し、愛犬の命と健康を守りましょうね。