犬のかゆみ・皮膚トラブル|原因の見分け方とアレルゲンを避けたフードの選び方

犬のかゆみ・皮膚トラブル|原因の見分け方とアレルゲンを避けたフードの選び方 病気・けが

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「体をかゆがって、夜も落ち着かない」
「同じところばかりなめて、毛が薄くなってきた」

かゆみは、わんちゃんにとっても飼い主さんにとってもつらい症状です。しかも原因はひとつではなく、食べ物・ノミやダニ・花粉やほこり・皮膚の病気など複数が絡んでいることも珍しくありません。

この記事では、かゆみの原因を整理したうえで、「食べ物が関係している場合に、フードで何ができるのか」を中心にまとめます。
フードを変えれば治るという単純な話ではないので、そこも正直にお伝えします。

まず知っておきたい|犬のかゆみの原因は大きく4つ

原因特徴出やすい場所
ノミ・ダニなどの寄生虫季節を問わず起こる。1匹でも強いかゆみが出ることがある背中・しっぽの付け根
環境のアレルギー(アトピー)ハウスダスト・花粉など。季節で強くなったり弱くなったりする目や口のまわり・わきの下・足先
食べ物のアレルギー季節に関係なく続く。下痢や軟便をともなうことがある顔・耳・足先・おしり周り
皮膚の感染症・その他細菌やマラセチアの増殖、ホルモンの病気など湿った部分・折れ耳の内側

ここで大事なのは「かゆみ=食べ物のせい」とは限らないということです。かゆみの原因のうち、食べ物が関係しているケースは一部にすぎません。まずノミ・ダニの対策と、皮膚の状態のチェックを済ませるのが順番として正解です。

動物病院に行ったほうがいいサイン

  • 皮膚が赤くただれている、汁が出ている、においが強い
  • かきむしって血が出ている
  • 毛が広い範囲で抜けている
  • かゆみで眠れていない、ごはん・水の量が減った
  • 耳を頻繁に振る、耳から黒い分泌物が出る
  • 下痢や軟便が続いている

これらがある場合は、フードの見直しより先に受診してください。皮膚の病気は、原因を確かめないまま自己流のケアを続けると悪化することがあります。とくに市販の薬やシャンプーを自己判断で使うのは避けてください。

また、食物アレルギーかどうかを正確に調べるには、動物病院で「除去食試験」を行うのが基本です。特定の原材料だけを一定期間与えて反応を見る方法で、8週間ほどかかることもあります。

犬のアレルゲンになりやすい食材

犬の食物アレルギーで報告が多いとされるのは、次のような食材です。

  • 牛肉
  • 乳製品
  • 小麦
  • 鶏肉
  • 大豆・とうもろこし など

意外に思われるかもしれませんが、市販のドッグフードでいちばん多く使われている肉は「鶏肉」です。「うちの子に合うフードがなかなか見つからない」という飼い主さんが、実は鶏肉を避けられていなかった——というのはよくある話です。

なお、アレルギーはその子ごとに反応する食材が違います。「牛肉がダメな子」もいれば「鶏肉は平気な子」もいます。ここに挙げたのはあくまで報告が多い食材で、避ければ必ず良くなるという意味ではありません。

かゆみで悩む子のフード選び|4つのチェックポイント

ポイント見るところ理由
肉の種類が絞られているか使われている動物性たんぱくが1〜2種類か種類が多いと、どれが原因か切り分けられない
アレルゲンになりやすい食材を避けているか牛肉・乳製品・小麦・卵・鶏肉の記載報告の多い食材を外すと候補を絞りやすい
原材料表示が具体的か「肉類」ではなく「〇〇肉」と書いてあるかあいまいな表記だと何が入っているか分からない
添加物が少ないか着色料・香料・保存料の有無皮膚が弱っている時期は刺激を減らしたい

「チキン不使用」のフードという選択肢

鶏肉を避けたいとき、代わりの肉として選ばれることが増えているのが馬肉です。

馬肉は日本ではおもに人の食用として流通してきた素材で、高たんぱく・低脂肪という特徴があります。犬にとってはなじみの薄い肉であるぶん、これまで食べたことがない=アレルギー反応が起きにくい可能性がある肉(新奇たんぱく)として使われます。

馬肉をメインにしたドッグフードとしては「馬肉自然づくり」があります。牛肉・乳製品・小麦・卵・鶏肉を使わず、鹿肉や猪肉などのジビエ肉を組み合わせているのが特徴です。

項目内容
主原料馬肉(ジビエ肉を配合)
不使用の食材牛肉・乳製品・小麦・卵・鶏肉
添加物着色料・香料・保存料 不使用
販売元株式会社利他フーズ(馬肉・馬刺し通販の専門店)

※ただし、これはフードの成分の話であって、「かゆみが治る」という意味ではありません。ドッグフードは食品であり、病気を治すものではありません。皮膚に症状が出ているときは、必ず動物病院で原因を確かめてください。

向いている子・向いていない子

向いていると思う子

  • 獣医師から「鶏肉を避けてみましょう」と言われている子
  • いろいろなフードを試したが、まだ馬肉系を試していない子
  • 原材料をできるだけシンプルにしたい飼い主さん
  • 添加物を減らしたい飼い主さん

向いていないと思う子

  • 動物病院で療法食を処方されている子(自己判断での変更は危険です)
  • まだ原因を調べていない子(まず受診が先です)
  • 馬肉や鹿肉で反応が出たことがある子
  • 今のフードで皮膚の調子が安定している子

フードを変える場合は、今までのものに1〜2割ずつ混ぜて7〜10日かけて切り替えてください。また、かゆみへの効果を見るには最低でも6〜8週間、ほかのおやつも与えずに続ける必要があります。1週間で判断はできません。

フード以外にできる、かゆみ対策

  • ノミ・ダニの予防を欠かさない:もっとも基本で、もっとも効果が確実な対策です
  • 散歩のあとに足を拭く:花粉やほこりを持ち込まない
  • 寝床を清潔に保つ:ベッドやタオルはこまめに洗う
  • 部屋の湿度を管理する:乾燥もかゆみの原因になります
  • シャンプーは獣医師の指示に従う:洗いすぎは皮膚を守る油分まで落としてしまいます

よくある質問(Q&A)

Q. フードを変えたら、どのくらいで変化が分かりますか?

A. 食物アレルギーが原因の場合でも、判断には6〜8週間ほどかかるとされています。その間はおやつやガムも与えず、指定のフードだけにする必要があります。途中で他のものを与えると、正確な判断ができなくなります。

Q. アレルギー検査を受ければ、原因が分かりますか?

A. 血液検査だけでは食物アレルギーを確定できないとされています。参考情報にはなりますが、もっとも確実なのは除去食試験です。検査を受けるかどうかも含め、獣医師と相談してください。

Q. 「グレインフリー」なら安心ですか?

A. 穀物が原因の子には意味がありますが、犬のアレルゲンとして報告が多いのは穀物より動物性たんぱくです。グレインフリーでも鶏肉が入っていれば、鶏肉に反応する子には向きません。「グレインフリー=低アレルギー」ではない、と覚えておいてください。

Q. 子犬のうちからアレルギー対応のフードにしたほうがいい?

A. 症状が出ていない子に、先回りして制限する必要はありません。むしろ成長期は栄養バランスが優先です。気になる場合は健康診断のときに相談してみてください。

まとめ|順番を守ることが、いちばんの近道

かゆみの対策は、順番を間違えると遠回りになります。

  1. ノミ・ダニの予防を確実に行う
  2. 動物病院で皮膚の状態を診てもらう(感染症やホルモンの病気を除外する)
  3. 食べ物が疑われるなら、獣医師の指導のもとで除去食試験
  4. その中で、アレルゲンを避けたフードを選ぶ

フードは、この流れの中の「道具のひとつ」です。良いフードを選ぶことは大切ですが、それだけで解決するとは限りません。かきむしる姿を見るのはつらいものですが、焦らず順番に進めていきましょう。

毛布の上で休む小型犬
かゆみが落ち着けば、ぐっすり眠れる日が戻ってきます。

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