
飼い主さん
うちの子はいま、何を考えているんだろう?
愛犬が私たちに伝えたいメッセージは、言葉ではなく、「尻尾の振り方」「耳の角度」「目の表情」といった、体全体から発せられるサインに隠されています。
これらのサインを正しく読み取れるようになれば、愛犬の気持ちを深く理解でき、ストレスや不安を察知してあげられるようになります。
この記事では、愛犬が発する代表的なしぐさや鳴き声が伝えるメッセージを、「喜び」「不安・恐怖」「興奮・要求」の3つの感情に分けて、詳しく解説します。
最高の愛情表現!「喜び」と「リラックス」のサイン!
愛犬が「いま、幸せ!」と感じている時に見せる、ポジティブなサインを見ていきましょう。
尻尾と体の動き
| 動き | 示している感情 | 誤解しやすいポイント |
| 大きく左右に振る | 「大歓迎!嬉しい!」全身を使って喜びを表現。 | 尻尾を振る≠喜んでいる。リラックスしている時は中くらいの速度で振る。 |
| 体全体をくねらせる | 「服従と愛情」飼い主さんに甘えているサイン。 | 尻尾だけでなく、腰を低くして体全体を振るのが特徴。 |
| へそ天(お腹を見せる) | 「完全に信頼しています」最もリラックスした無防備な状態。 | 信頼の証だが、撫でることを要求しているわけではない場合もある。 |
耳と目、口元の表情
- 耳:自然な位置か、わずかに後ろに引かれ、リラックスしている。
- 目:細めてトロッとした目つき。アイコンタクトを求めてくる。
- 口元:口をわずかに開け、口角が上がって笑顔のように見える。パンティング(ハァハァ)もリラックスのサインであることが多い。
- 行動:飼い主の体に軽く寄りかかってくる、あくび(リラックスのあくび)をする。
見逃さないで!「不安」「恐怖」のSOSサイン!
わんちゃんは不安を感じている時、言葉の代わりに「カーミングシグナル(落ち着いて、というサイン)」という行動で、自分や相手を落ち着かせようとします。
不安・ストレスの具体的なサイン
| サイン | 示している感情 | 重要なポイント |
| 尻尾を股の間に巻き込む | 「怖い、助けて」恐怖や服従、強い不安を感じている。 | 尻尾を巻き込む=逃げたい、関わりたくないという意思表示。 |
| パンティング(荒い呼吸) | 「不安や緊張」暑さだけでなく、ストレスや緊張でも息が荒くなる。 | 涼しい場所でも荒い呼吸が続く場合は、ストレス源を探るべき。 |
| あくび・ペロペロ(舌を出す) | 「緊張しています、落ち着きたい」自分や相手を落ち着かせるためのカーミングシグナル。 | 睡眠不足ではないのに頻繁なあくびは、強いストレスのサイン。 |
| 体を小さく丸める | 「防御」自分を小さく見せて、攻撃されないようにしている。 | 見知らぬ人や犬から体を丸めている場合は、無理に近づけない。 |
| 目をそらす | 「敵意はありません」相手に対して敵意がないことを示す服従のサイン。 | 人間のアイコンタクトは犬にとって「威嚇」と受け取られることもある。 |
| 白い部分が見える(半目) | 「緊張・不安」目を大きく見開き、瞳の下の白目が見えている状態(ホエール・アイ)。 | 強い不安や緊張のピークを示しているため、状況をすぐに変えるべき。 |
鳴き声が示すサイン
- 低い唸り声:「警告」これ以上近づかないでほしい、と警告しているサイン。
叱らず、すぐにその原因(物や人)から離れるべき。 - クンクン(遠吠え):「寂しい、要求」遠吠えは仲間を呼ぶ声、クンクンは構ってほしいという要求や寂しさを伝える声。
「興奮」と「要求」が示すメッセージ!
遊びたい、構ってほしい、という気持ちが高ぶっている時に出るサインです。
興奮・遊びの誘い
- プレイバウ(お尻を上げる):「さあ遊ぼう!」と相手を遊びに誘う代表的なサイン。
- 尻尾を高く上げる:「自信と興奮」喜びと自信、または遊びへの強い意欲を示している。
- ワンと一回吠える:「気づいて!」「関心がある」何かに気づいた時や、注意を引くための挨拶。
要求・警戒のメッセージ
- 前足でチョイチョイ:「構って!」「何かを要求」撫でてほしい、遊んでほしい、おやつがほしい、と伝えている。
- 耳が前を向いている:「集中・警戒」何かに強く注意を集中させている状態。
警戒している時や、獲物を見つけた時にも見せる。
まとめ:愛犬の気持ちを正確に読み取るために!

| 項目 | 感情のサイン | 飼い主さんの対応のコツ |
| 喜び・リラックス | 全身をくねらせる、へそ天、口角が上がった笑顔。 | 静かに撫でてあげたり、優しく声をかけたりして、安心感を共有する。 |
| 不安・恐怖 | 尻尾を巻き込む、あくび、目をそらす、白い目(ホエール・アイ)。 | 原因からすぐに遠ざける。無理に抱き上げたり、声をかけたりせず、落ち着くまで見守る。 |
| 興奮・要求 | プレイバウ、前足でチョイチョイ、耳が前向き。 | 噛みつきなど問題行動に繋がらないよう、遊びをコントロールする。静かになったら要求に応える(要求吠え対策)。 |
愛犬のしぐさは、一つだけでなく、全身のサインを総合的に判断することが大切です。
特に「不安」のサインを早く察知して取り除いてあげることは、愛犬との信頼関係を深め、問題行動を予防するための最も重要なスキルです。
日々の観察を通じて、愛犬とのコミュニケーションを楽しんでくださいね!


