
飼い主さん
朝、急に愛犬がぐったりしている…

飼い主さん
散歩中に急に力が抜けて倒れた
低血糖症は、血液中のブドウ糖(血糖)レベルが急激に低下することで、脳や全身にエネルギーが回らなくなる状態です。
特に体が小さくエネルギーの備蓄が少ない子犬や小型犬、または特定の病気を持つ、わんちゃんで起こりやすく、緊急性の高い病態です。低血糖が重度に進行すると、痙攣や意識障害を引き起こし、命に関わる危険性があります。
この記事では、わんちゃんの低血糖症のサインと、なぜ子犬や小型犬がリスクが高いのかを解説します。
そして、緊急時に飼い主様が家庭でできる具体的な応急処置と、予防のための正しい食事管理のヒントを紹介します。
低血糖症とは?特に子犬が危ない理由!
低血糖症のメカニズム
- 血糖の役割: ブドウ糖は、脳が働くための唯一のエネルギー源であり、全身の細胞を動かす主要な燃料です。
- 低血糖の状態: 血糖値が極端に下がると、まず脳の機能が麻痺し、ふらつき、痙攣、意識の混濁などの神経症状が現れます。
子犬・小型犬がリスクが高い理由
子犬や小型犬は、大きなわんちゃんに比べて以下の点で不利です。
- エネルギー備蓄の少なさ: 肝臓にブドウ糖を貯蔵する「グリコーゲン」の量が少ないため、食事と食事の間が空くと、すぐにエネルギー切れを起こしやすい。
- 高すぎる代謝: 体温を維持したり、活発に動いたりするために必要な代謝量が、体のサイズに比べて非常に高い。
- 消化機能の未熟さ: 子犬は消化機能がまだ未熟なため、嘔吐や下痢をすると、急激に栄養が失われ、低血糖に陥りやすい。
低血糖が疑われたときの応急対策!
低血糖の症状は急速に進行することが多いため、以下の初期サインを見逃さないことが重要です。
低血糖の主な症状
| 症状の段階 | 主なサイン | 危険度 |
| 初期 | 元気消失、ぐったりする、食欲がない、ふらつく(足元が不安定)。 | 【要対応】 この段階で気づけば処置が容易。 |
| 中期 | 涎(よだれ)が出る、けいれん、震えが起きる、体温低下。 | 【緊急】 すぐに応急処置が必要。 |
| 末期 | 意識の混濁、昏睡(呼びかけに反応しない)、呼吸が浅くなる。 | 【超緊急】 命に関わる。 |
緊急時に家庭でできる応急処置
意識があるか、ないかで対応が変わります。
| 意識の状態 | 応急処置 | 注意点 |
| 意識がある場合(初期) | ブドウ糖、砂糖水、ハチミツなどを舐めさせるか、水に溶かして飲ませる。 | 固形物を与えると吐き出す可能性があるため、液体・ペースト状のものにする。 |
| 痙攣・意識がない場合(中期〜末期) | 歯茎や舌の裏側に、ハチミツやブドウ糖のペーストを塗り込み、粘膜から吸収させる。 | 絶対に口の中に流し込まないこと!誤嚥による窒息の危険があります。 |
応急処置で一時的に回復しても、必ずすぐに動物病院へ連絡し、受診してください。低血糖の原因となる根本的な病気(例:特定の腫瘍、肝不全など)が潜んでいる可能性があるためです。
日常でできる低血糖の予防とリスク管理!
食事回数を増やす
- 子犬: 特に幼い子犬は、1日3〜4回に分けて少量ずつ与え、空腹時間を作らないようにする。
- 成犬・老犬: ライフスタイルに合わせて食事回数を調整し、夜間の空腹時間が長くなりすぎないよう注意する。
高タンパク・高脂質の食事を避ける
- インスリンの過剰分泌: 高炭水化物の食事は血糖値を急激に上げ、その反動でインスリンが過剰に分泌され、かえって低血糖を引き起こすことがあります。
- バランス: 獣医師と相談し、血糖値が緩やかに上昇・維持できるような、タンパク質や良質な脂質をバランス良く含む食事を選びましょう。
運動量の調整
- 過度な運動: 長時間、激しい運動をした後は、エネルギーが急激に消費され、低血糖に陥りやすいです。
- 対策: 運動前後に軽食を与え、運動後は愛犬の様子を観察し、ぐったりしていないか確認しましょう。
まとめ:急なふらつきを見逃さず命を守ろう!

| 低血糖症リスク管理の備え | 目的と効果 | 飼い主がすべき具体的な行動 |
| 1. 空腹時間の管理 | エネルギー切れによる低血糖を防ぐ。 | 子犬は1日3〜4回、成犬も空腹時間が長くなりすぎないよう食事の回数を調整する。 |
| 2. 緊急時の備蓄 | 痙攣・昏睡などの緊急事態に迅速に対応する。 | ブドウ糖(液体)やハチミツを常に自宅に備蓄し、塗布できるように準備しておく。 |
| 3. 早期の受診 | 根本的な病気(腫瘍など)を特定し、適切な治療を開始する。 | 応急処置で回復しても、必ず病院で血液検査を受け、原因を特定する。 |
低血糖症は、日頃の注意と、緊急時の迅速な対応で乗り越えられます。愛犬の行動を注意深く観察し、小さなサインを見逃さないようにしましょうね。


